講師 認定非営利活動法人 しがNPOセンター 理事・事務局長 西川 実佐子 先生
しがNPOセンターは地域活性化のための政策研究や調査活動、中間支援などに関わりながら、多くの人との出会いを大切に活動されています。
主な仕事は以下のようなものがあります。
①ボランティアの人達を助け、相談に乗る。
②地域コミュニティの支援
③協働推進
④まちづくりの政策提案
⑤災害ボランティアコーディネーター
1. 災害支援
①「災害支援市民ネットワークしが」の運営
②滋賀県では「滋賀県災害ボランティアセンター運営協議会」を常設しています。
③ボランティアの育成 → スキルアップ講座の実施
④被災地支援 かつてはボランティアバスを出していたが、旅行業との関係で今はやめています。
能登の震災に関して→道路の関係ですぐに入れない状況なので、できることを考え中です。
2. クロスロード風ゲーム
クロスロードゲームとは課題に対してyes、noで答えて多数者が勝者となるゲームです。
参加者が意見を述べ、意見交換して多数派を作ることが重要になります。
これを応用してクロスロード風ゲームを考案しています。
意見交換することが重要で「イメージする力・想像する力を高める」ことが目的です。
目の前の取り組みを判断する力を高める訓練に相当すると思います。
災害時に発生するいろいろな場面を想定して、次の行動を決めていくために合意形成を体験します。
重要な事
①答えは一つではない。様々な可能性があることを理解する。
②守るべきは命と人権
③日頃から災害が起こった時のことを想定して、どうなる、どうするを身近な人と話し合っておく。
このような意見交換の中から生まれた取り組みに「移動薬局+医者」と言う取り組みがあります。
震災時にこのよう医師を伴った移動薬局があると利便性の高い活動に繋がると思います。
3. クロスロード風ゲームの課題事例
4つの課題事例が出されました。
それぞれ、自分の答えを決めて、各自グループのみんなに想像した状況と判断した内容を説明しました。
人の意見を聞き、意見交換して話し合いの上でグループの答えを決めていきました。
正解はありません。結果的にはその他の答えになる場合が多かったように思います。
短時間で決断し、行動しなければいけない状態でいろいろな人と合意を形成することの大切さ、人の意見の幅広さを実感しました。
課題1
1月17日5時46分、震度7の地震が発生し近所の家がつぶれ生き埋めが発生しています。
どちらを先に助けますか?
答え① 独居で82歳介護度5の女性
答え② 家族と一緒に住んでいる97歳介護度3の男性
答え③ その他
課題2
7月30日に土砂災害が発生した翌日、市からおにぎりが届きました。
600人の被災者に対して100個しかありません。
被災地は混乱しているので、次はいつ来るかわからないと言われました。
どうしましますか?
答え① 行政に状況を伝え早く対応するように訴える。
答え② みんなで話し合い、食料を持ち寄って炊き出しをする。
答え③ その他
※過去に出たその他の事例
100個のおにぎりを分解し、持ち寄った野菜を加えて雑炊を作り、みんなで分けて食べる。
課題3
1月17日早朝に震度7の震災が発生して1週間。余震と断水が続き、大勢が避難所に避難しています。
トイレの前は毎日すごい列です。簡易トイレなどを活用しています。
仮説トイレ5基が届くことになりました。
どこに設置しますか?
答え① 体育館から近く、よく人の通るところ
答え② 体育館から少し離れた、あまり人の通らないところ
答え③ その他
課題4
7月30日土砂災害が発生した翌朝。
避難所に新型コロナウイルスに感染した可能性のある家族が避難してきました。
自宅は全壊でとても家にいられる状況ではありません。どうしますか?
答え① 感性拡大は困るので家に帰ってもらう
答え② 場所や動線などに配慮して、避難所に入ってもらう
答え③ その他