講師 認定特定非営利活動法人 しがNPOセンター 理事 森川 稔 先生
先生は都市計画のコンサルタント事務所に勤務し、各地の都市計画・地域計画やまちづくりに関する業務に長年ら携わってこられていました。
その後、滋賀県立大学で地域再生学や地域づくりに関する授業を担当されています。
1. 課題学習の狙い
レイカディア大学卒業後も社会活動に取り組む事を念頭にグループで課題に取り組む事を実践的に体験して学ぶ。
以下の内容をメンバー全員で相談し分担して進める。
①自発的、自主的に取り組む
②計画を立てて取り組む
③グループ活動を通じて仲間を作る
④地域、施設、他の団体などとつながりを作る
⑤報告書を作成し記録を残す
一人でできることは知れているので、楽しくグループで取り組む過程が大事です。
・楽しい活動は長続きします。
・多様なメンバーが活躍すると活動の幅が広がります。
・つながりが広がると活動や暮らしが豊かになります。
2. 課題学習のテーマ
テーマの選定はその課題に楽しく取り組むために大変重要です。
クラスのグループ分けとテーマ選定は大いに関係があります。
クラス全員で多くのテーマを絞りだした上で皆が納得できるテーマ選定とグループを編成することが重要です。
全員が納得、共感できる目的・内容・スケジュールであることが重要です。
テーマの絞り出し
テーマの抽出は一般的に次のような方法があります。
①ブレーン・ストーミング(ブレスト)
自由に意見を出し合う事で新しい発想を生み出したりアイデアを昇華させたりする会議手法です。
テーマや問題を定義し目的をはっきりさせないと意見が散漫になり収集できなくなる場合も多いようです。
多くのアイデアを絞り出して行いますが、批判的な議論する会議とは異なります。
新しいアイデアを出す方法なので進行役が重要な方法と言えます。
②KJ法(川喜田二郎法)
新しいアイデアではなく、意見をまとめる方法として認識されています。
雑多なデータやアイデアの統合が得意な手法で、新しいアイデアを出す方法ではありません。
ブレーン・ストーミングで出されたアイデアをグループ分けし、系統を分類しまとめて行く場合などに有効な手法です。
③ワークショップ
目的が明確な井戸端会議と言えます。
参加し体験し相互作用から双方向的な学びと創造を促す会議スタイルと言えます。
今回のように課題学習で取り組むテーマ、目的、目標、内容などを決める場合には適しているでしょう。
3. ワークショップに取り組む
グループメンバーのお互いのやり取りの中で学び、創り出すテーマが明確な井戸端会議です。
ワークショップ参加の心構え
・他人の意見を否定しない
・他人の意見を良く聞く →相互作用を促す
・他人の意見から広げる →イメージを広げ連想する
・小さな声にも耳を傾ける
・気軽に意見を出す →質より量→量から質へ
・新たな気づきを得る →気づきが大切
・合意形成に努める →みんなの思いを踏まえた合意を目指す
4. ワークショップをやってみる
課題学習をテーマにやってみよう。
①課題学習でやってみたいことを全員がポストイットに書く
レイ大での学びを楽しくするためのアイデアを出します。
絞り出して多く書く事、想いを出し尽くすことが大事です。
注意点
・ポストイット一枚にひとつの事を簡潔に書く
・他のメンバーにわかるように大きな字で書く
②他のメンバーの書いた事を理解し希望や考えを共有
お互いの思いや考えを知ることが大事です。
③同じ内容をグループ化し小見出しを作る
無理にまとめる必要はありません。
1つで独立したテーマも重要です。
④課題学習のテーマとして検討してみます。
例えば以下のような点です。
・楽しく取り組めそうか?
・グループメンバーの特徴や強みを生かせるか?
・社会貢献という観点から意義があるか?
・社会的なニーズがあるか?
⑤内容を絞り込み、練り直してテーマを決定します。
平行してメンバーのグループ編成も行います。
⑥テーマが決定したら具体的な内容について掘り下げて決めていきます。
⑦スケジュールや役割分担なども決めていきます。
5. グループワークの取りまとめと報告
各グループの取り組みを共有する為、とりまとめを報告書にします。
内容
①グループ名を決める
②メンバー全員の名前を書き示す
③内容をズバリ示すタイトルを作成
④課題学習に取り組む目的と目標を書く
目的は何か? 目標はどこに置くか?
⑤具体的な取り組み内容を簡潔にわかりやすく書く
メンバーの役割分担も示す。
⑥取り組みを進めるおおよそのスケジュールを示す
6. 活動から実践へ
①ファシリテータ
課題への取り組みを行う場合に重要な役割としてファシリテータがあります。
進行役、水先案内人と言った意味ですが、ある方向に誘導することではありません。
大切な事は
・全員参加に気を配り、全員参加できるように場を和ませる事
・小さな声に耳を傾けて大切にする事
・新たな見方を投げかける事
②具体的な活動から
○まちづくり
まちづくり協議会等はたくさんありますが考えてばかりの会が多いようです。
保全するためには汗を流すことが必要です。
〇淡海の杜を考える
「風の人」と「土の人」
外から来た人とそこに住んでいる人が関わって初めて何かが始まる。
〇一度しかない人生
やりたいことをやる、いろいろなことにチャレンジする。
〇これからのまちづくり → 「楽しむ」まちづくりへ
まちを耕し、豊かにし、次代に引き継ぐ
学びから実践を通じて、人生を楽しむまちづくりへ
〇人生、いかに過ごすか
→ 自分がやりたいことをやって、地域を元気にする
・社会とつながる・・・自ら近づき扉を開く
・チャレンジ精神・・・ちょっとの勇気で新たな世界の扉を開く
・汗を流す・・・・・・・・学びから実践へ
・ゆとりと笑い・・・・・表情、言葉、時には上手に負ける
・取り組みを「楽しく」ではなく「楽しむ」