高齢者の自立とは何か?

人生100年時代と言われる社会において、誰もが願うのはできるだけ長く健康で、自立した生活をおくることです。これまでの日本は男性も女性も自立力を奪われていたと言えるでしょう。男性は仕事の為に自分の身辺処理も十分にできないという意味で生活的自立性を欠き、女性は家庭に縛られ職業から遠ざけられ経済的自立を欠いていました。また近代的個人を認めようとしない家意識のために男女ともに精神的自立を欠くことになっています。

高齢者の自立

身体的な自立や経済的な自立を強調して他者に頼らず何でも一人で行えることを高齢者の自立と言うなら、高齢者が自立を追求することは困難です。さらに社会関係的自立と共に、精神的な自立も重要な構成要素になります。他の年齢層に比べて高齢期においては精神的自立の占める比重は非常に大きいものです。

精神的自立の2つの側面

生きるハリなど生きがいに関わる問題と主体的な生き方に関わる自己選択、自己決定に関わる2つの問題があります。高齢期は4つの喪失①心身の健康の喪失 ②経済的基盤の喪失 ③社会的つながりの喪失 ④生きる目的の喪失 これらが課題です。これらの喪失感は世間や社会によってさらに強められることが多いのです。人は高齢期にも生きる意味を問い続ける存在です。高齢者は自ら喪失期とみなしていることもありますが、生きがいを獲得したり、再発見することによって生きる意味や価値を実感できるのです。

高齢者の主体的生き方

高齢者の身体的自立は自力で物事を行える身体能力を意味するのではなく、依存を含めた自立と考えるべきです。人は援助を受けるという選択肢をもっています。1時間かけて自分で服をきて出かける人より、人の助けで服をきて15分で出かける人の方が自立していると言えるという考え方です。心理的に自分で決定して活動している人は幸福であると感じており、行動面もより活動的な傾向が見られます。

人間らしく生きる自立とは

自己決定権を行使する事と、自由な選択権を行使できる事を前提に生活全体の質を高めることを目標にしましょう。

自分史へのチャレンジ

ライフレビューは単に過去の経験の思い出にふける追憶とは違います。自分の歩んできた人生がどんなものだったのか、人生で遭遇した最も辛い事は何だったのか等についてじっくり考えるプロセスです。過去は変えられないが、これからの自分の見方、考え方は変えられます。過去の解釈を変えると未来が変わる可能性があります。自分史を書く事は主体性を高め、脳を活性化させます。