学習の目的:文学作品をきっかけに近江の良さに気付く”ディスカバー近江”
近江の文学について
近江を扱った作品、近江出身の作家が書いた作品、近江在住の作家が書いた作品などに分類できます。古典から近代のまで様々な作品があります。
近江の文学作品紹介
琵琶湖の文学
万葉集の”柿本朝臣人麻呂”の作品「近江の海 夕波千鳥 汝が鳴けば 心もしのに 古思ほゆ」にも“近江の海”が登場します。
人麻呂屈指の名歌と定評がありこの歌の歌碑は近江神宮内時計学校前、大津京シンボル緑地、琵琶湖大津館近くの湖岸と3か所確認されています。
謡曲にも「竹生島」などの作品があり、CDによる音曲が紹介されました。
琵琶湖をテーマにした数々の作品水上 勉「湖笛」「湖の琴」など多数あります。
街道の文学
古くは古事記の中の「伊吹山と日本武尊の話」をはじめとする古典文学にも近江が出ています。
源氏物語、平安時代の紫式部が書いた物語 関屋ー逢坂の関があります。歌は「わくらばに行きあふみちをたのみしもなほかひなしやほならね海」があります。
近代
「街道をゆく」司馬遼太郎、「近江山河抄」白洲正子などの作品があります。
万葉の近江
万葉集4500余首の中で、108首ほどある。第2回目の講座で紹介予定です。
湖北の文学
・ 古典文学、古事記、日本書記 伊吹山と日本武尊の話があります。
・ 戦記 「義経記」
・ 古戦場 谷崎潤一郎 「盲目物語」 他
・ 近代 井上靖 「星と祭り」「風と雲と砦」他 多数
湖東の文学
古典 井原西鶴 「西鶴織留」 巻1 「近江蚊帳の出所は」で始まるのは、「近江八幡の蚊帳を主に扱って大きくなった伴屋が、話の中の扇屋モデルといわれています。
近代 船橋聖一「花の生涯」他 多数
近江商人の湖東 外村繁 「草筏」「筏」「花筏」
三島由紀夫 「絹と明察」 1954年に起きた近江絹糸の労働争議をモデルにしています。
甲良町の3大偉人 佐々木動譽、藤堂高虎、甲良豊後守宗廣 に関する文学など多数があります。
甲賀の文学
東海道 森鴎外「小倉日記」
徳永真一郎「燃ゆる甲賀」1964年発表。1842年(天保13年)10月、甲賀、野洲、栗太の3郡で起きた天保義民一揆の経由を指導者の家庭に焦点を合わせ描いた小説
湖南の文学
湖南の近代文学 吉村昭「ニコライ遭難」など多数
比叡の文学 瀬戸内晴美「比叡」など多数
湖西の文学
藤本恵子「クレソン」など多数
白洲正子に導かれて
白洲正子(1910~1998)、父母(樺山愛輔、常子)、祖父(樺山資紀、川村純義)、夫(白洲次郎)
白洲正子の、6つの近江の関連著書
「西国巡礼」(1965)、「かくれ里」(1971)、「近江山河抄」(1974)、「十一面観音巡礼」(1975)、「道」(1979)、「私の古寺巡礼」(1982)があり、これらの著書のなかで近江は以下のように紹介されています。
・ 「最初に近江だぞと思ったのはね、西国巡礼なんですよ」 『白洲正子の世界』より
えたいの知れぬ魅力、『近江山河抄』 近江路より
底知れぬ秘密・舞台裏・興味の宝庫・歴史上の秘境 『隠れ里』より
この点に近江在住の「いかいゆり子」先生は大いに共感されました。
いかいゆり子先生の「近江の隠れ里」では以下のところが紹介されています
・ 「油日神社の福太夫の面」との出会いが、正子の取材のきっかけです。
櫟野寺(らくやじ)の薬師如来坐像、油日神社の「ずずいこ様」
観音正寺の千手千眼十一面観世音菩薩、抱き着き柱
石馬寺 石馬の池の中の馬の背
石塔寺 下馬溜 横の説明碑 石段など
・ 木地師の里 蛭谷、君ヶ畑
・ 湖北 菅浦
・ 葛川 明王院
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「柿本人麻呂」の歌碑
柿本人麻呂 の屈指の名歌 である、「近江の海 夕波千鳥 汝が鳴けば 心もしのに 古思ほゆ」 の 歌碑が 近江神宮内時計学校前にある。
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白洲正子
「隠れ里」など 6冊の近江関連の文学の著者 白洲正子 (1910-1998)
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油日神社の福太夫の面
近江は、底知れぬ秘密・舞台裏・興味の宝庫・歴史上の秘境 と 「隠れ里」 の中で表現されている 題材となった 油日神社の福太夫の面
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油日神社の ずずいこ様
「隠れ里」 で紹介されている 油日神社の ずずいこ様
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近江のかくれ里
いかいゆり子先生の著書
白洲正子の紀行文『かくれ里』『近江山河抄』の舞台を訪ね、その魅力に迫る 本です。