身近な犯罪から身を守る

講師 彦根警察署 生活安全企画課 
犯罪抑止係 関 早紀子 先生

特殊詐欺をはじめとする身近な犯罪から身を守る方策について講義してもらいました。

1. 特殊犯罪の手口と現状

滋賀県における特殊詐欺の現状
昨年は被害額3240万円、認知件数は132件でした。今年は6ケ月で144件に達しています。
65歳以上の高齢者の被害は99件で約70%です。
コロナ禍で減少していましたが、毎年1.5倍ペースで増加傾向にあります。

2. 主な手口

①オレオレ詐欺
親族、警察官、弁護士、等を装い、親族が起こした事件、事故に対する示談金を名目に金銭をだまし取る手口です。
息子を語る手口だけでなく、娘を語る手口が増えています。
②還付金詐欺
税金還付等に必要な手続きを装って被害者にATMを操作させ、口座間送金により財産上の不法な利益を得る手口です。
市役所の年金課を語る詐欺が増えています。人のいないATMへ行けと指示する場合が多いようです。
★人に言われるとボタンを押してしまうので要注意です。普段ならしない事も人に言われると、なぜかやってしまいます。
③預貯金詐欺(2番目に多い)
自治体や金融機関、銀行協会などの職員を装い、医療費などの払い戻しがあり、キャッシュカードの交換手続きが必要等の名目でキャッシュカードをだまし取る手口です。
「キャッシュカードが古くてセキュリティが弱くなっているので新しいものに交換する」と電話してくる手口です。
空の封筒と交換にキャッシュカードをだまし取られてしまいます。増えている手口ですから要注意です。
④キャッシュカード詐欺盗(詐欺盗:すり替える)
警察の詐欺担当、銀行協会、近鉄デパートの職員を装って被害者に電話を掛け「キャッシュカードが不正に使用された」という名目でキャッシュカードを準備させ、すり替える手口です。
⑤架空料金請求詐欺(一番多い)
未払いの料金があるなど架空の事実を口実に金銭をだまし取る(脅し取る)手口です。
直接、未払い料金と言われるとおかしいと思わない傾向があるので要注意です。
★サポート詐欺:今年の夏から注目されている詐欺です。
新聞にも注意喚起が掲載されましたので紹介してこのページも更新します。
パソコンに偽の警告を表示し、ウィルス駆除を行うと称して金銭を支払わせる「サポート詐欺」の新たな手口です。
若者も400万円被害に遭っている注目の詐欺です。
どんな手口
パソコンでウェブサイトを閲覧していると突然ピーと言う警告音が流れます。
画面には「Microsoft」のロゴと共に「検出された脅威:トロイの木馬スパイウェア」などの警告が表示されます。
あわてて表示された番号に電話すると、マイクロソフトの社員を名乗る者から「あなたのパソコンは危険です」などと説明され、ウィルスを除去するためにパソコンを遠隔操作できるように誘導されます。
その後、ウィルス除去の費用の支払いを求められます。
数万円送金するつもりが、遠隔操作されて金額に0が二つ追加され、知らないうちに数百万円を送金させられるという手口です。
マイクロソフト社がパソコンに警告を表示して、電話を求めることは絶対にありません。

★最近気になる手口
宅配荷物の不在メール詐欺です。
以下のようなメールが届きます。
①お客様が不在の為、荷物を持ち帰りました。こちらで確認してください。http://8f8.vqchp.com
②心当たりのない方はこちらをクリックしてください。http://8f8.vxabc.com
どちらもクリックするとウィルスに感染してしまいます。
絶対にクリックしてはいけません。
迷惑メールに登録して、すぐに削除しましょう。

★電気料金の未納の電話が自動音声でかかってくる事例は彦根市で毎日のように発生しています。

◎前期の講座「インターネットと人権」からサポート詐欺について
画面操作中に突然 警告画面が現れて電話をするように求められることがあります。
警告音が鳴ることもあります。
→絶対に電話してはいけません。 
電話すると
①情報が流出する
②PCを遠隔操作される
③復旧後金銭を請求されるなどの状況に陥ります。 
★対処方法 一般的に画面が出ただけではウィルス感染はしていません。
ブラウザーを消すことが第一です。
×マークでは消えないことが多いので、次のキーボードの操作を知っておきましょう。
「Alt+F4この二つのキーを同時に押すと大抵の場合消えます。」
それでも消えない場合は
「Ctrl+Alt+Deleteこの3つのキーを同時に押して電源を切ります。」
「電源ボタンで再起動します。」
それでも消えない場合は以下へ電話して相談してください。
独立行政法人情報処理推進機構情報セキュリティ安心相談窓口
(03-5978-7505)

3. だまされない対策

詐欺師たちの謀略
①多様な肩書を使用して、被害者を動揺させようとしてきます。
②さらに動揺させるために、期日が過ぎているなど切迫性を強調してきます。
③最後に見方を装って、思い通り操ろうとしてきます。
騙されやすい状態を知識として知っておきましょう。
一つの事に注意を向けてしまうと、他が見えなくなるので騙されやすい。
電話の受話器は心が耳に集中するので、他が見えない状態なので感情を動かされやすい状態です。
スピーカーから出る音声の場合は目も気持ちも楽な状態なので騙されにくい状態と言えます。

詐欺対策絶対条件
①絶対に詐欺に遭わない対策
 留守番電話作戦
留守番電話は相手にメッセージを残してもらい、必要な場合は折り返し電話を掛け直すというものです。
詐欺師は声を録音されるのを嫌いますから、騙されることはなくなります。
②ATMで携帯電話を使わない。
ATMでは携帯電話を避けて冷静になることが大切です。
③キャッシュカードは渡さない、暗証番号は教えない
警察、銀行であってもキャッシュカードを預かりにくることは絶対にありません。
暗証番号を聞くこともありません。