清涼寺 写経体験

講師 清涼寺 住職 村瀬 行寛 先生
午後は清涼寺の座禅堂で般若心教を写経しました。

1. 写経とは

写経とはお経を書き写すことです。
現代では300字程度の「般若心経(はんにゃしんぎょう)」を書き写すことが多いです。
日本書紀の673年の記録には、「書生をあつめて、始めて一切経を川原寺(飛鳥の三大寺のひとつ)に写す」との記述があり、これが日本で最初の写経と考えられています。
平安時代ごろから、写経することによって「功徳(くどく)が得られる」と考えられるようになり、先祖供養、祈願成就、個人の仏道修行などを目的として広く行われるようになったようです。

2. 写経のこころ

写経には長い歴史があり多くの人の信仰生活に心の安らぎを与える糧となってきました。
それは身と心を整えて行う写経の心がそのまま仏様の教えの心に通うからにほかならないのです。
そしてこの写経のこころは時代を越えて道を求むる人にとって大きな心の支えになりました。
現代に生きる私たちは写経によって静かに落ち着いた時間を大切にするとともに祈りや願いを生活の中に活かしていく一つの証にしたいものです。
「般若心教」は短い経典でありますが、仏法の大意が述べられており書き写しやすく経典です。

3. 写経のしかた

正座して姿勢を正して呼吸を整えて行います。
浄書中は慎重な心構えで字を間違えないように注意し書き写します。
日付は本文から一行あけ、始めの一字分下げて書きます。
終わりに願文などがあればこれを記します。「為」と書いて心願成就、世界平和などの願文を記します。
写経そのものが目的の場合は記さずともよいです。
心を込めて書き写した写経は尊いものとして特別なものとして扱うように気を付けましょう。