SNS等のトラブルを未然に防ぐ

講師 一般社団法人 ソーシャルメディア研究会 竹内義弘 先生

1. Society5.0

これは内閣府による「第5期科学技術基本計画」で提唱された日本が目指すべき新しい社会を指しています。ソサィエティ1.0~4.0は以下の社会を示しています。
①ソサイエティ1.0  狩猟社会
②ソサイエティ2.0  農耕社会
③ソサイエティ3.0  工業社会
④ソサイエティ4.0  情報社会
ソサイエティ5.0は単にデジタル技術を使って効率化するのではなく、デジタル技術を使って様々な格差や不安、課題などから解放され、誰もが快適に質の高い生活をおくれるような社会を目指すものです。
重要とされる技術
①人口知能(AI) コンピュータで人間の知能を再現したもので、自動運転、医療の画像診断などが実現されています。
②ロボット 人手で行われていた仕事や作業をロボットが代替えしてくれるようになります。
③ブロックチェーン  高度な改ざん防止力を持ち、暗号資産を支える技術として知られています。暗号資産に限らず、行政、物流、医療など他の分野での活用が検討されています。
④IoT  あらゆるモノがインターネットで接続されることです。モノ同士がデータをやり取りできるようになります。自動運転などが実現されつつあり、遠隔操作などが拡大するでしょう。

社会ではあらゆる仕事がAIを使って自動化され、人手不足が解消され、付加価値のある仕事に力を集中できるようになります。年齢や障害などの制約がなくなり、人材の多様化に繋がります。雇用形態や働き方もますます多様化するでしょう。自動運転技術が高度化されて移動手段から解放されると、住む場所による制約から解放され生活する場所や働く場所を柔軟に選べるようになります。
この社会ではAIやIoTなどの知識はもちろんですが、課題解決力、創造力などが求められることになります。

2. ネット社会の光と影

ネット社内の影の部分はニュースで流れる悲惨な事件など顕著になっています。アドレスしかわからない文字だけの世界では単純に信用してしまうことはNGです。しかし、超スマート社会が近づいている現在「使うな」は限界があります。ネット使用率の調査で2歳児は62%がすでにインターネットを使っているという現実があります。これは非常識ではなく、すでに使うことが常識となっている状態です。すでに、大切なことは使い方で、正しく怖がって、賢く使うことが大切です。

3. 知っておきたい事

①ネットのやり取りは文字だけの世界ですから、間違って伝たり、伝わらない場合もあります
→重要なことは直接話すことが大切です。

②サポート詐欺 
画面操作中に突然 警告画面が現れて電話をするように求められることがあります。警告音が鳴ることもあります。
→絶対に電話してはいけません。 電話すると①情報が流出する②PCを遠隔操作される③復旧後金銭を請求されるなどの状況に陥ります。 ★対処方法 一般的に画面が出ただけではウィルス感染はしていません。ブラウザーを消すことが第一です。×マークでは消えないことが多いので、次のキーボードの操作を知っておきましょう。Alt+F4この二つのキーを同時に押すと大抵の場合消えます。

③フェークニュース
安易に反応すると犯罪になる場合があります。「いいね」「リツート」 中傷投稿に「いいね」で55万円の賠償命令が出たケースがあります。

④フィッシングメール
パスワードを盗む為の迷惑メールです。反応せず、無条件に消去しましょう。クリックなど反応するとスマホの内部に入り込まれたり、パスワードを盗まれたりする可能性が高くなります。

4. 問題発生時の対応 

すぐに相談することが問題解決への早道です。そのための第一は説明するための状況証拠を残しましょう。
画面のコピー、写真、スクリーンショット などです。
相談先 全国の警察相談窓口 #9110 消費者ホットライン 188  どちらかに電話相談しましょう。

5. アカウントとパスワード

アカウントとパスワードは大事にしましょう。
アカウントとIDは少し意味合いが違います。アカウントはそのソフトウェアを利用する利用する権利です。IDは使用する人を識別するための番号ですが、アカウントと同じものを使う場合もあります。多くのソフトウェアがありますからアカウントもその数だけあり、管理が大変です。紙に書いて保存することが忘れないために確実です。パスワードはすべて書き込むのではなく、重要な部分は書かないようにすることを進めます。
パスワードの作り方
①自分だけが忘れない言葉を基本にして構成します。出身小学校名や最初に住んだ地名など
②①の基本の言葉をどこに使うか、パスワードを構成するルールを決める。
③書き残すパスワードは基本の言葉を除いた部分だけメモに残すようにする。

アカウントの放置はNG
使わなくなったアカウントの放置はNGです。誰かに乗っ取られてしまう可能性がありますし、個人情報も流出してしまします。ソフトウェアには必ず管理者が居ますから、管理者に連絡して削除してもらうことが必要です。

6. ネット社内の法律

①「学校の爆破予告」をSNSに投稿  →威力業務妨害罪
②友達のテストの点数をSNSに投稿  →名誉棄損罪
③友達(小4)の裸の写真をスマホで撮る →児童ポルノ禁止法違反 保持でNG
④雑誌のアイドルの写真をスマホで撮影して投稿 →著作権法違反
⑤いじめの投稿 →侮辱罪
⑥友達のパスワードを予測して友達のアカウントにログインした →不正アクセス禁止法違反 

7. 危ないサイトの見分け方

①アクセス先URLをよく見る。 https:// 最初のhttpにsが無いものは暗号化されていないアクセス先で信頼性が低い。また最後が.jpは日本を表わしていますが.cnは中国を表わしています。
②ニュース記事に!や?は使われません。使われているニュースはフェイクの可能性が高いです。
③連絡先に電話番号が無たり、住所が最後まで書かれていないものは詐欺の可能性が高いです。
④支払先が個人口座だけというのも危険です。
⑤異常な値引きや日本語が不自然なもの見慣れないフォントがなども詐欺の可能性があります。