シニアのためのハラスメント講座

シニアのためのハラスメント講座には「アンコンシャス・バイアス 無意識の偏見」という副題がついています。
講師 しがぎん経済文化センター 取締役社長 西堀 武 先生

普通の生活をおくっている人は固定観念にとらわれることが多いので、習慣や行動は簡単には変えられません。
意識した行動は5%程度だと言われ95%は無意識の動作で、自ら作り上げたルールに縛られて生活しています。
人は忘れることで生きていける生き物とも言われています。
記憶しても復習しなければ20分で4割を忘れるし、1時間後には半分を忘れるようです。
1日経つと7割、1週間で8割を忘れるという研究があります。
その一方でメモをする、繰り返し学ぶ、日記を書くことで記憶が定着することもわかっています。
余談ですが、私は仲間のみんながいつでも思い出して読めるようにこの必修講座のダイジェスト版を作成しています。

1. アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見や思い込み)

人は自分自身では気づいていない先入観による「モノの見方やとらえ方」をもっています。
経験、知識、価値観、信念などをベースに判断を自動的に行い、何気ない発言や行動をしています。
以下の内容はすべて偏見によるものです。
①学歴で能力を判断する 
②上司は部下より知識も経験も豊富 
③業績の良い人はなんでもできる 
④今どきの若者はと思うことがある 
⑤周りで問題が起こっても自分には起こらない 
⑥他社の不祥事も自社では起こらない 
⑦自分のやり方が否定されるとイラつく 
⑧厳しく指導しないと人は育たない 
⑨パワーハラスメントは弱い人の言い分 
⑩ハラスメントは被害者にも問題がある 
⑪LGBTと言われると戸惑を感じる 
⑫外国人労働者は日本の企業文化に合うか心配 
⑬世代や出身地で相手を見てしまう 
⑭介護しながら働くのは難しい 
⑮雑用や飲み会の幹事は若手の仕事 
⑯みんなイェスなら自分もイェスと言ってしまう 
⑰親が単身赴任と聞くと父親が単身赴任と思う 
⑱女性の海外出張は躊躇する 
⑲男性のお茶出しは違和感がある 
⑳子供の病気は母親が休んだ方がよい 

無意識の偏見とは

自分自身は気づいていない、ものの見方の偏り、思い込みで経験や知識をベースに認知や判断を自動化し、物事を素早く処理する脳の機能です。
考える前に無意識に起こる連想のひとつです。
無意識の偏見の代表例として正常バイアス「自分は大丈夫」の落とし穴があります。
人は予期しない事態に直面した時、「ありえない」という先入観や思い込み「自分は大丈夫」と考えます。
自信過剰の思い込み、先入観、自分の危機対処能力に対する過大評価を持っています。
①オレオレ詐欺、振り込詐欺  「自分は大丈夫、引っかからない」という思い込み、油断が被害を招いている。
②滋賀には大地震は発生しないと信じている。
③西日本豪雨災害の事例のように、どれだけ警報を発令しても、実際に身に危険が差し迫らないと避難できない。
★参考 特殊詐欺の被害者は圧倒的に65歳以上が多いのです。
私は大丈夫という思い込みを持っていませんか?

無意識の偏見によって引き起こされる問題

気づきにくい問題なので、この問題について良く知る事、気づくことが大切です。
人間関係が悪化し、個人的には遠慮がちになりネガティブになり積極性が失われます。
組織も個人も後ろ向きで成長できない状態に陥ることになります。
このような状態にならないためにも「気づこうとすること」「意識すること」が重要です。

2. ハラスメントとはいろいろな場面での「嫌がらせ、いじめ」

近年、新種のハラスメントが氾濫しています。
多い順に
①パワーハラスメント 
②モラルハラスメント 
③セクシャルハラスメント 
④リストラハラスメント 
⑤アルコールハラスメント
その他に40種類のハラスメントが認識されていますし今後も増加していくでしょう。
2022年パワハラ防止法が義務化され、知らなかったでは済まないレベルになりました。
ハラスメントが及ぼす影響は被害者にとどまらず、組織の社会的信頼性を失墜させることにも直結する問題なので、初期の段階やグレーゾーンで気づき、やめさせることが重要です。

3.モラルハラスメント

言動や態度などによって精神的苦痛を与える「目に見えない精神的な暴力」「大人のいじめ」と言われ、家庭も含めて人間関係のある様々な場所で起こり得ます。
①無視、孤立させて精神的に追い詰める。 
②見下した発言や暴言 
③嫌味を言う、からかう等、人を傷つける。 
④嫌がらせをする。 
⑤馬鹿にする、侮辱する。 
⑥不機嫌にふるまう。(上下関係に係らない)
モラルハラスメントの影響はメンタルがダウンして心が折れる等、人間的に影響が大きい問題です。