湖上散歩 ~近江の文学・歴史・風土を学ぶ~

びわ湖の文化・近江の文化(びわ湖に目を向けることで近江が見えてくる)

講師  文筆家、旅行作家 西本 梛江 先生

ビアンカに乗って湖上から近江を見る体験をしました。
びわ湖を肌で感じることで、もっとびわ湖のことを知り、美しいびわ湖、泳げるびわ湖を後世に残したいものです。

近江は淡海とも書きます。
淡という漢字の成り立ちは日光を受けて水面から盛んに燃え上がる陽炎を意味する象形文字です。
近江の真ん中にびわ湖があることは言うまでもありません。
そのびわ湖は43万年前に現在の姿になったことがわかっています。この長い年月の間に近江の風土はびわ湖と共に形成されてきたのです。
例えば、日中の風は陸に向かって吹き、夜間は湖に向かって吹きます。
冬には比良おろしと呼ばれる北西の強風がしばしば吹き降ろします。
かつてはびわ湖で漁をする人も多く風を読む術は暮らしの一部だったのです。
これは漁だけでなく農業や山仕事全般に言える暮らしの知恵の継承です。
また広大なびわ湖の水は温まり難く冷め難いので気象データから見て熱さ寒さが緩和されます。
寒暖差の大きい京都に比べて、彦根など沿岸部は比較的穏やかな気候です。
これらの気候が繊維産業や発酵食品などの文化をもたらしています。
生糸を使った代表的な織物である縮緬(ちりめん)、三味線や琴の糸、麻織物など、食品では酒、味噌、醤油などの醸造業のほか、鮒ずしなどの特徴のある食文化も育成されています。
風土とはその場所の気候、地勢などの自然に適合した暮らし方から生まれ、伝え継がれたもので、近江の風土はびわ湖と共に形成されてきたのです。