アンガーマネージメントを知り感情をコントロールしよう

講師 尾崎 沙千 先生 日本アンガーマネージメント協会  アンガーマネージメントファシリーター 

怒りは私達が大切にしている命や信念、メンタルなどを危険から遠ざける為の防衛反応です。
アンガーマネージメントは怒りが決して悪い事ではないことを教えてくれます。
その結果、生活が楽になりストレスともうまく付き合えるようになります。

怒りのデメリット、メリット
怒りは対人関係が壊れるとか疲れる、落ち込むなど悪い印象があります。
しかし考えてみれば、気持ちを理解してもらえ、愛情や真剣味も伝わり、すっきりすることもあります。
活動する活力になることさえあるのです。

アンガーマネージメントとは?
怒らないようにすることではなく、怒る必要のあることは上手に怒り、怒る必要のないことは怒らないようになることです
怒らなくてよいことを判断できる人になると言い換えることができます。

怒りとは何でしょうか?
人にとって自然な感情の一つですから、怒りの無い人はいないし、無くすことも不可能です。
怒りの機能は自分の大切なものを守ろうとする防衛反応です。
闘うか、逃げるかを決断する時の瞬間的な反応とも言えます。
このようなときに怒りが発揮できないと、しばしばメンタルが壊れてしまうことがあります。

問題となる4つの怒り

問題となる怒りは以下の4つです。
自分の怒りをその強度から自己診断することで自分の怒りの正体を理解する助けになります。
①強度が強い。 →小さなことでも激昂する、一度怒ると非常に強く怒る。
②持続性がある。 →根に持つ、思い出し怒りをする。
③頻度が高い。 →イライラすること、カチンとくることが多い。
④攻撃性がある。 →人を傷つける、自分を傷つける、物を壊す。

怒りの正体

私達を怒らせるものは何でしょうか? 誰かでしょうか、出来事でしょうか、あるいは両方でしょうか?
答えはどちらでもありません。思いどおりにならないことに対して怒っているだけなのです。
私達を怒らせるものの正体は自分の中の「こうあるべき」に対して怒っているのです。
そうであれば、この「こうあるべき」を少し緩めたり、手放したりすることでコントロールできる可能性があるのです。
怒りが生まれるメカニズムは第一にマイナス感情や体の状態が怒りのエネルギーとして蓄積されることから始まります。
辛い・悲しい・孤独感・苦しみ・疲れ・罪悪感・焦り・不安・恐怖・ストレスなどが怒りのエネルギーです。
怒りのスイッチは自分の中にある「こうあるべき」が裏切られた瞬間に入ります。

アンガーマネージメントの3つのコントロール
1. 衝動のコントロール

怒りのスイッチが入りそうになったら、6秒間待ちましょう。
瞬間反射は後悔が多いことがわかっています。
この時どうするかあらかじめ自分で決めておくと効果があります。
深呼吸する、上を向くなど時間を取ると冷静な脳が働く時間を作れます。

2. 思考のコントロール

この怒りは10点満点でどれくらいか考えると効果的です。
①許せるゾーンか?②まぁ許せるゾーンか?③許せないゾーンかを考察しましょう。
このように考えておくと、今まで気分次第で起こっていた欠点を解消できるようになります。
また、自分の許せないゾーンを子供など相手に具体的に示しておくと効果的です。
怒る必要が無いゾーンを増やしていく努力ができるようになれば効果が実感できるようになります。

3. 行動のコントロール

怒りの正体を分析すると取り組むべき努力の道が見えてきます。
自分と周りの人にとって健康的で幸せですか?が選択基準になるでしょう。
①重要だが変えられることは、すぐにどの程度変えるか考えましょう。
②重要だが変えられないことは、どう受け入れるか、現実的な選択肢を探すことになるでしょう。
③重要ではないことは余力があるときに考えれば良いし、放置しておいてもよいとも考えられます。