野神さんとは湖北地方、特に長浜市の旧伊香郡ではケヤキや杉など、ひときわ目に付く老木・巨木が多数伝わり、その多くは「野神さん」と呼ばれ、地域の人たちに親しまれています。「野神」は、特定の神(かみ)・命(みこと)を奉るのではなく、土地(田畑などの耕作地)を守る神が宿るところであり、作物の豊穣を祈願する神として、地域の人々と何百年という歴史をともにしてきました。その位置は、集落の入口や他集落との郷境、歴史的意義のある場所、用水の分岐点など、村にとつて重要な場所であることが多く、そこに高台を築き、杉や松・ケヤキなどの長樹齢木を植え、「野神」として崇めたと考えられます。
~高月町巨木ガイドマップより~
湖北地方では、自然に対して祈りと感謝を込めた祭礼行事「野神祭」が毎年お盆(8月15日)すぎに行われ、初春の「オコナイ」とならび湖北地方の民俗を代表する伝統行事です。こうした、湖北地方に伝わる野神の風習や行事は、平成19年春に滋賀県の「無形民俗文化財」に指定されました。
この日はさわやかな快晴でしたが、あまりにも好天気に恵まれ、熱中症の恐れもあるため、当初の予定である高月駅から雨森まで徒歩でめぐるコース(5km)から、車で近くまで行くコースに変更になりました。
大円寺のおしどり杉から渡岸寺の野神ケヤキまで高月町にある計11か所の巨木を探訪しました。
※環境省のデーターベースによれば、巨木とは地上1.3mの位置で幹の周囲が3m以上と定義され、現在68,000本が巨木と 登録されているそうです。
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