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水上 勉 薯 「湖の琴」 講談社刊 ※ | |||
この本を改めてもう一度読みなおしてみようと思ったきっかけは、、地元賤ヶ岳で主演の佐久間良子さんの撮影風景(※1)の写真を見る機会に遭い、余呉湖を訪れてみると、本の中で描写されている光景が今でも十分に想像出来き、養蚕家に奉公の「栂尾(とがのお)さく」と丁稚の「宇吉」」が一生懸命に生き、夫婦(みようと)の契りをしながら、京都のお琴の師匠が、栂尾さくに、みそめ琴を教える(弟子する)からとの理由を付けて、、京都の別宅で住ませ「宇吉」との仲を裂き、周りは、著名なお琴のお師匠にみそめられられたのだから、地元に取ってなんら悪い話でない、機嫌を損ねては大変と云う事で、栂尾さくを京都のお琴の師匠の許へ、送り出し、栂尾さくは、身ごもり(妊娠し)宇吉を裏切ったと云う罪の意識で自殺をし、宇吉は、さくを守ってやれなかった思いで、さくの死体と共に、余呉湖で入水自殺をするストーリ。この様な、小説の題材は多くあるのだが、通常この様な題材には、利害関係の登場人物は、少ないのだが、この小説に於いては、村挙げて取引先(琴の師匠:文左衛門一行)を大歓迎をし、文左衛門の気をそこねてはならない。その一点に目が行き、奉公人のさくの事・丁稚の宇吉の事には、目を向けていなかった。作者はそこを読者に訴えたかったのではなかろうか? 関連写真へ 追加写真 T, F さん 2015/01/20 投稿 |
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作品名:鉢の木 著者:山本周五郎 発行社:新潮社 | |||
武士道を讃える、いざ鎌倉で有名な能の一曲、《鉢の木・作品名》を謳い、ゆき着けば死ぬと決まっている戦場へ、悲壮でも壮絶でもなく喜びを以て駆けつけていく主人公、『兄はどんなに本望だろう、御武運めでたく』と蹄の音がきこえなくなるまで、心の内にただそれだけを祈り見送る妹萩尾。 貧窮の暮らしに耐えて来てくれ、妹萩尾を、どうにか幸せにしてやろうと思いつつ、武士道としての生き様を全うしたい主人公の志と、その志を叶えさせてあげたい妹達の気持ちが重なり合い、人を泣かせるいつもながらの山本周五郎作品です。 投稿者:勝田裕市さん 2015/02/21 |
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作品名:安政の大獄(井伊直弼と長野主膳) 作者:松岡秀雄 出版社:中央公論新社 | |||
安政の大嶽は、ペリー来航以来、揺るぎを始めた江戸幕府の権威を維持強化するため、大老井伊直弼が断行したものである。侘しい「埋木舎」時代に親密となった。井伊直弼と国学者長野主膳との二人の関係から、江戸幕府の権威回復のため大嶽へと突き進んだ二人を描いた本である。 投稿者: K.Tさん 2015/02/26 |
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書名:「石田三成」 著者:尾崎士郎 出版社:光文社 | |||
内容:慶長3(1598)・4年、秀吉病床期とその死後、三成とその周辺の人間関係や心懐を描写した作品。 @前田慶次郎(利家の従弟)が、利家を水風呂に入れて城を逃げ出し、高野山で、里山上人となって、耳太郎(三成の影武者となる)と遇った。 A紀州・根来と同じように征伐されたかも知れない「高野山の詮議」に尻込みする各僧の代表に推され、三成から「良きに計らえ」と言われ、事無きを得た。 B家康が、ご法度である婚姻を多く結んでいる事への詮議・処罰や密偵が大阪、伏見に入り荒れている事、一発触発の妖雲立ち込める情勢となった。 感想:多くの登場人物を通じて、「史実・事実・真実とは何か?」や「人間の徳・氏族の縁・教養等少し考えさせられた。」 投稿者:マークン 2015/03/02 |
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書名:蓮如(−われ深き淵よりー) 著者:五木寛之 出版社 中公文庫 | |||
近江〜越前にかけて、天台宗だった寺院の多くが、蓮如上人の布教により浄土真宗に改宗していくのはどうしてなのか? 蓮如上人が生まれた本願寺は、親鸞聖人の教えを広めながら、当時山門延暦寺の末寺として、その礼をとり、山門の保護を受ける代わりに、末寺銭を納め、寺の造りや行儀も天台の風を取り入れた。 蓮如が8代法主になり布教活動を始めて、山門延暦寺の反感を買い本願寺は、山伏達に襲撃され焼討ちに合います。その後、近江堅田を拠点に、布教活動を続ける様子が、当時の世相を交えながら、戯曲仕立てで書かれています。 投稿者:奥長裕幸 2015/03/25 |
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書名:祇園の女狐 著者 桜田啓 出版社 PHP研究所 |
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舟橋聖一の「花の生涯」を改めて読みました。この中のヒロイン村山たかに非常に興味をもち、このたか女を主人公とした「祇園の女狐」に出合い飛びつきました。この本では、桜田門外の変での井伊直弼没後、京都一乗寺のの金福寺に入寺し、たかを世話する若きお松に自分の過去を語るとの設定になっています。 幕末動乱時に想いを寄せた井伊直弼と長野主膳のため、命を懸けて京都の攘夷派浪士行動を偵察した様子が見事に描かれています。本の最後には、あの勝海舟がたか女を訪問して幕末動乱時を振り返る場面も出てきます。お勧めは「花の生涯」とセットで読むと、村山たかの事が詳細にりかいできます。 投稿者:諏訪敏雄さん 2015/03/10 |
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作品名:「武将列伝」 『蒲生氏郷』 著者 : 海音寺潮五郎 出版社:文藝春秋 |
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近江が生んだ武将「蒲生氏郷」を読んだ。著者:海音寺潮五郎を語ると、「歴史はまず、文学から入るべし」という考えを持っており、日本の義務教育制度における、歴史教育について、子供に最初から史実のみを社会科学的に教える事は、歴史への関心をなくすとともに、一方の側からのみの宣伝を教える事になると批判的でもあった。あらすじだが、13歳の時佐々木の逃亡・敗北によって人質として父賢秀が織田信長に人質として差し出す。氏郷は信長の側近として仕え、早くから将来有望な武将となる事を見にいていた。伊勢の北畠攻略で功績をあげ、松坂に転封となる。その後北条攻めでさらなる功績から会津若松に転封毎に職人や商人を連れ新成る城下町を造り、のちの近江商人発祥の礎を築く、40歳の短命であった。 投稿者:今掘敏仁さん 2015/03/12 |
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作品名:「びわ湖」 著者:西口克己 出版社:東邦出版社 |
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この小説は、1970年代に発生した、びわ湖を取り巻く水質の悪化をテーマとして、びわ湖の水を飲料としている京都市民の観点から問題提起した作品である。 作者の西口克己は、京都市及び京都府の議員をした人であることから、議員の観点からも国及び滋賀県のびわ湖の行政について、苦言を呈している。 この本は、『小説であって、小説でなく、ドキュメントであってドキュメントではない』と作者が言っている様に今まで読んだ小説とは一味違った切口で作品が仕上げられている。 投稿者:N.Nさん 2015/03/30 ※ |
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作品名:影の人・藤堂景虎 著者:徳永真一郎 出版社:毎日新聞社 | |||
浅井長政から徳川家康まで、7人の主君(※1)に仕え、伊予今治藩主、後に伊勢津藩32万石の藩主となったのは、郷土、近江の國犬上郡藤堂村(現甲良町在士)出身の、戦国武将・藤堂高虎である。変身の見事さから、「ゴマスリ大名」と揶揄されるが、筆者は、高虎こそは理想の主君を求めてたゆまざる努力を続け、戦国時代の流動の時代をたくましく生き抜き、秀長や家康を表に立てて、おのれを表そうとしなかった”影の人”と描いている。 投稿者:T.U さん 2015/03/31 |
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「比良のシャクナゲ」は、同じタイトルで散文詩と短編小説がある。散文詩が先に発表され、4年後に小説化されている。詩に込めたモチーフに、それと合う環境・人物を設定して内容を膨らませ、また登場人物各自の性格まで考えられている。詩と小説双方を比較して読むと、作者がどのようにして小説に展開したのかがよくわかる。 投稿者:H.S 2015/05/11 |
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(※1) 7人の主君:
浅井長政・阿閉淡路守貞秀・磯野員昌・織田信澄・豊臣秀長・豊臣秀吉・徳川家康
※現地研修 2015/03/20
佐久間良子主演「湖の琴」 賤ヶ岳に於いて撮影風景(1996年映画化) | |
大音の特殊生糸製造工場 現在は、繭を他より調達されており、常時製造されておられるわけではありません。↓ 2014/04/30の取材に同行させて頂いた時の写真です。 |
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「丸三ハシモト」繭製糸工場内仕事場風景 和楽器の弦を作っておられます。おもは三味線の三の糸で、全国シェア―の50%〜60%を製造。 先代の橋本氏は人間国宝でした。 |
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※1 大正2年〜昭和7年頃の製糸工場が栄えたころの木之本の様子 1929年の「世界大恐慌」のあおりを受けその後衰退をする。 |