9月18日(水) 健康と運動(理論) 
講師 多胡陽介 
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午前 : 健康と睡眠 運動と認知症予防
 

 

 
運動と睡眠
  
  
身体的な睡眠不足の影響
   ・睡眠不足の人⇒肥満傾向
              空腹感を高めるグレリンというホルモンが
              増加
   ・睡眠時間の短い人は、糖尿病や高血圧、高脂血症などの
    生活習慣病に移行するリスクが高い
   ・生活習慣病の予防・改善に不可欠な生活習慣のサイクル
    「運動・食事・睡眠」

  
  良質な睡眠とは?
   ・睡眠時間が長い ≠ 良い睡眠  睡眠の質が大事
   
  
睡眠とホルモン
  
 ・眠気を促すホルモン:メラトニン
    ・目覚めを促すホルモン:コルチゾール

  睡眠に関する疾病
    ・睡眠時無呼吸症候群
     無呼吸とは、10秒以上呼吸が止まってしまうことをいう。
     睡眠中に、この無呼吸が1時間に5回以上、または7時間の睡眠中に
     30回以上ある状態を、睡眠時無呼吸症候群という。

  生体リズムの整え方
   ○日光を浴びること
   ○運動を行うこと
   ○必須アミノ酸(特に*トリプトファン)を取る  *たんぱく質                   ⇩
         メラトニンの分泌増加
   ・運動習慣の無い人は、ある人に比べ不眠になる確率が1.3倍
    ⇒運動を日常的に行うと寝つきが良くなる傾向
   ・アスリートも睡眠を重視している

 
  運動と脳
   

    運動は、筋肉だけでなく脳を大きくする
     運動しながら脳を使うことで、記憶に関する脳の部位『海馬』が
     大きくなる

     海馬は、65歳くらいになると1年で1%程度萎縮する。ところが、
     有酸素運動や筋力トレーニングをすることにより、海馬の神経細胞
     が逆に増加することがわかってきた。


  
 午後 : 運動と認知症予防(実践)
  15秒でどれだけ記憶できるかな?

  これは登山用ストック(ポール)です

 認知症予防の運動
 ・スクエアステップ
 ・ステップをしながらしりとり
 ・ステップをしながら都道府県名(その他なんでもOK)を言う
 ・ウォーキングポールを2人で向かい合わせで同時に放って掴む

  慣れてきたら2人で4本のポールを使う。
 ・ゴム製の輪を2人で向かい合わせで同時に投げて掴む
  慣れてきたら2人で4つの輪を使う
 ・大型のトランプで神経衰弱をする
 その他いくらでも工夫し、楽しみながら運動できる
     
 認知症とは?
  いったん獲得された知的能力が何らかの障害により後天的に
  低下し、記憶、思考、見当識、判断、理解、感情、計算、言語
  など複数の脳機能が低下した状態

  
認知症の種類と割合
 
  アルツハイマー型
   50%
 レビー小体型
   20%
 脳血管性
  15%
脳の変化   海馬の萎縮  レビー小体が出来
細胞が死滅
 脳梗塞、脳出血が
原因
男女比  女性に多い  男性がやや多い  男性に多い
初期の症状  物忘れ  幻視、妄想
うつ病
 物忘れ
進行  徐々に進行  調子の良い時と
悪い時を繰り返し
進行
 急に発症し
段階的に進行

  
  
 認知症予防にどんな運動が良いのか?
  有酸素運動:ウォーキング
          少し息が乱れるくらいの運動

  強度の高い無酸素運動や強制的にさせられる運動は、
  認知症予防の面で良くない

 二重課題と運動
  運動しながら計算やしりとりをすると、年齢とともに衰えやすい
  脳機能の低下予防に役立つ

  運動しながら脳を使うことを二重課題(デュアルタスク)と言う
  が、デュアルタスクが脳の活動を高める事が明らかになって
  きた。運動しながら簡単な引き算をしたり、しりとりをすること
  で、脳の萎縮を抑制し、脳機能の維持に役立つ。