レイカディア大学米原校41期園芸学科(2019年)

講義日誌 13
                                     (文責:鈴木)

救急講習 ケガの手当、心肺蘇生   
 平成31年4月18日(木)  森 俊一 先生 
(日赤救急法指導員、救急救命士、元消防士) 

 ★赤十字活動とは   下記8種類の活動がある。
  〇国際活動  〇血液事業  〇医療事業  〇赤十字ボランティア 
  〇看護師等の教育  〇社会福祉  〇国内災害支援事業 
  〇青少年赤十字  などがある。
  ※青少年赤十字は、滋賀県守山市が発祥
  ※活動費用は、会費(以前は社資)だけである。国補なし
  
 
 <講義>
 ◎救命の連鎖

 心停止の予防⇒早期認識と通報⇒一次救命処置⇒
 二次救命処置と心拍再開後の集中治療  

 
◎手当の基本
 
・観察(周囲と傷病者の全身観察⇒119番通報、AEDの手配)
  
※AED=除細動器は、除細動を止め、心臓を一旦停止する機械
  ・安静(身体的・精神的)   
  ・体位(水平が原則、患者が楽な体位、意識はがない時は回復体位)
  ・保温  ・飲食物(与えないが原則)
 
 
◎心臓発作
  ・症状は痛みが胸または胃の上の方から始まり、頸の左側、左肩、左腕と広がる
  胸を押さえてバタッと倒れる
  ・手当は、保温し座った姿勢で深呼吸、通報、AED使用
 
 
◎熱中症
  ・予防のための水分補給が大切

 
◎きず、止血
  ・開放性と非開放性がある(観戦しないよう開放させない方がよい)
  ・出血量が1/3以上で生命が危険(体重1kg当り80mlで計算)
  ・止血法は直接圧迫が基本(血液に触れないこと)
  
 
◎鼻血
  ・座って軽く下を向き、鼻を強くつまむ
  
 
◎熱傷
  ・1度や2度の場合は、冷水で痛みが取れるまで冷やす
  ・衣服はそのままでよい

 
◎虫刺され、動物に咬まれた
  ・虫刺されの針は毛抜きで採るか横に払う(何回目か、アナフィラキシー注意)

 
◎骨折
  ・副子で固定(患部の上下の関節を固定するのがよい)
  ・患者が楽な姿勢で固定すること

 
◎突き指
  ・冷水で冷やし、患部を高くして固定する

 
◎搬送
  ・一人で後ろから引っ張る場合は、胸の前で手をしっかり組み、抜けないよう
   に気をつける
  ・患者の足をクロスさせ、引きずったときに一カ所が地面にあたらないようにする
  ・二人の運ぶときは、手をヒューマンチェーンで組む。足を重ねて抱える

 
◎のどに詰めたとき
  ・チョークサインをとることが多い、肩甲骨の中心をたたくとよい
 
<注意点>

 〇救急車の中では話しかける
  などして寝させない。
 〇絶えず意識を確認する。
 〇記憶がおかしいときは脳の
  障害を疑う


 〇救急では、そばにいる、さ
  すってやる等、それだけで
  も安心するので大切である

 







 〇傷口を心臓より上に上げる
 〇間接圧迫法もある(指なら
  つまむように挟む)止血点
  を圧迫する

 〇上を向いたり、頸の後ろを
  とんとんすることはだめ!


 〇手足なら患部を高くする
 〇軟膏、油、消毒薬を塗らな
  い

 〇針をつままない(毒が注入
  してしまう)
 〇蛇などの毒を口で吸い出さ
  ない
 


 〇指を引っ張らない

 <実習①ハンカチ>

 〇ハンカチによる止血
  (三角に折ってそれぞれ利用するの幅に調整する)
  ・指の止血(関節圧迫法)
  根元で縛り手の甲でクロスして手首で縛ると抜けない
  ・手のひらのケガ 手の甲でクロスして手首で縛る
 〇ケガをした方で患部のどちらでも抑えることがで
  きるので、抜けないようにする
   

 <実習②ストッキング>

 ★ストッキングのよい点
  〇固定するのによい伸縮性がある
  〇2本を1本にすると強度が増す
 ★頭部のケガ
  〇頭のケガで患部をのカーゼの固定など(左)
  〇頭にかぶり、残りを巻いていき最後は周りを巻き
   上げるときれいにできる
 ★腕のケガ
  〇一本にしてその中に腕を入れる
  〇方で両方の先をつなぐと三角巾のようにする
  
   
<実習③>心肺蘇生とAEDを用いた除細動の手順
 
  〇現在は
2015年式で掲示されている、次回は2020年に変更予定
  〇「反応の確認」とあるものである(『意識の確認』とあるのは古い)
  〇協力者にAEDの手配や119番通報を依頼するが、必ず戻ってきてもらう
  〇『呼吸の確認』で
死戦期呼吸(「ひぃーーー」「ひぃーーー」という無理をしているような呼吸ですぐに呼吸が
    止まる)と間違いないようにすること、呼吸をしていないと判断する方がよいかもしれない
  〇胸骨圧迫30回は約5cmで肋骨が折れることもあることを想定しておく(座った姿勢ではできない)
  〇骨折しても続ける(救命が一番)
『強く』『早く』『絶え間なく』を意識する
  〇胸骨圧迫30回と2回の人工呼吸(キューマスクを利用するとよい)を続けるが、
   止めるときは、続ける体力がないとき、意識や呼吸が戻ったとき、医療従事者が到着し渡す時である。
  〇パッドは1枚づつ確実に貼る(6歳で子ども用と分かれるが、大人用を子どもが使用は可能、その逆はだめ)
  〇貼る箇所が濡れているときは、貼る部分はしっかり拭く、胸毛があるときは剃る方が密着する
  〇音声ガイドに従ってすすめるが、除細動の指示が出たときは、「みんな離れて下さい」と大声で言う
  この姿勢はだめ!  胸骨圧迫  人工呼吸
 子ども用パッド 
★その他

 〇AEDは、20万円ほどで購入できる(レンタル4000円/月)定期的メンテが必要
  蘇生率は4%と低いが、今後普及する必要がある
 〇のどに詰まった餅を掃除機で吸った例はあるが、やらない方がよい
  (肺がつぶれることあり)
 〇発熱の時の貼り薬は、気休め、頸動脈など動脈のでている部分を冷やすこと
 〇てんかんの発作は見守るだけ、その様子をよく観察し、伝えられるようにする
      

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