レイカディア大学米原校 40期園芸学科 授 業 レ ポ ー ト 2018年07月12日(木)発行

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7月10日  火   おいしい秋の家庭菜園と土づくり
元八日市南高校教員 
    松原治夫先生
  
 久しぶりの野菜講座です。

 今年の玉ねぎやジャガイモは昨年よりよかったのではないですか? ジャガイモは収穫が遅くなると虫にやられて白くプシュと腐ります。

 さて、まだ夏なのに早くも秋冬に備えての土つくり。でも基本はこれまで言ってきたことと同じです。

野菜の分類、連作障害、作付プラン

                                野菜の分類

・野菜はアオイ科~ユリ科まである。
・なかでも多いのは次の科の野菜
 ナス科(ジャガイモ、トウガラシ、トマト、ナス、ピーマン、ミニトマト)
 アブラナ科(カブ、カリフラワー、キャベツ、キョウナ、コマツナ、コールラビ、サイシン、タイサイ、ハクサイ、ハツカダイコン、ヒサゴナ、ブロッコリー、メキャベツ、ヨウシュナタネ)
 ウリ科(カボチャ、キュウリ、スイカ、ニガウリ、ハヤトウリ、ヘチマ、メロン)
 ユリ科(アスパラガス、タマネギ、ニラ、ネギ、ラッキョウ、ワケギ)

                                連作障害

・注意しなければならないのは、連作障害。特に青枯れ病。水があるのに枯れてしまう。連作障害を避けるためには、できるだけずらして植え付ける。ただし、家庭菜園で広さがないときは、牛ふん堆肥などの有機物を入れて深く耕すのも一つの方法。どうしても毎年連作になる時には接ぎ木苗を利用する。プランター栽培という方法もある。

                                土づくり

・土づくりには石灰と有機物を入れてほしいと言っているが、作付の少なくとも1カ月前(1~3カ月)までに石灰を入れて耕す。その1週間後に有機物を入れる。石灰と有機物は一緒に入れない。一緒に入れてマルチをすると、発酵してガスがでるので苗が生育しない。牛ふん堆肥は土壌改良、鶏ふんは肥料として使用する。耕すのは1回だけでなく何回もすることで、例えば大根が股根になるのを防ぐ。

                                作付けプラン

・作付けプランづくりには、何科の野菜を植えるのかかを意識する。記録もとっておく。例えば段ボールに書いてぶら下げておく。記録しないと何を植えたのかが分からなくなる。プラン作成には、春・秋の両方を考慮する。いつ種を購入し、種まき、苗、栽培のポイントを調べる。収穫は年内かそれとも年内を越えるのか。草丈も調べて、大きくなるものは南に植えない。

品種の選び方


・春も秋も同じであるが、種袋の裏面の説明を読んで、極早生、早生、中生、晩生か確認する。極早生など早く収穫できるものを選ぶ。早くとれるので被害も少なくなる。食味についても書かれているので裏側をよく読む。

・秋は気温が下がるので、植え付け日が1日遅れるごとに収穫が1週間異なる。早くまいたほうがよい。
園芸用具

・農具はステンレス製がさびなくて長く使用できる。四角鍬はあまり使わないが、三角ホ―は便利である。
・箕は石灰をまくのに便利。バケツもなにかと重宝する。
・セルトレイで効率よく苗の育苗管理ができる。
・一輪車は少し思いがノーパンクタイヤが良い。軽い空気タイヤの一輪車を選ぶのであれば、値段は少し高いが黒のむしをえらぶ。黄色のムシは長く持たない。
・土壌酸度測定器で自分の畑の酸度を知る。

カメムシの被害例         先細りのズッキーニやいびつな豆類


 ズッキーニで先細りのものができることがありますが、何故だと思いますか?

 できはじめた実のふもとにカメムシがいます。

 実ができたころにカメムシにかじられ十分に成長できないためです。

 インゲン豆など外形がいびつなものもカメムシにやられたためです。

ズッキーニの受粉対策と3本以上の支柱

 受粉できなかったズッキーニは腐ってしまいますが、その受粉対策として、少なくとも4本植えましょう。2本だと雌花が咲いても雄花がとれないことがある。4本植えれば十分に雄花がとれるので人工授粉してください。また、ズッキーニの葉は重いためにすぐに曲がるので、支柱は1株につき3~4本してまっすぐ上に育ててください。
私の挑戦   4株買うより2株買って2本仕立て・・・・・本葉5~6枚で親ツルを摘心して左右に子ツルを伸ばす。
                                  ただし、広さは4株分とする。

私の肥料の施し方 基本の3つ ①苦土石灰(消石灰、有機石灰)、②堆肥(牛ふん)、③化成肥料(有機肥料)
             その他4つ ④ようりん、⑤ケイカル、⑥鶏ふん、⑦液肥(ハイポネックスなど)

追肥は、マルチめくって肩を一部崩して施肥しかきあげる。 水やりは、株元だけでは不足なのでいくつか水の入る穴をつくる。
編集後記

 今こそ眠らせていた『野菜づくりの教科書』を活用しなくてはと開いてみると、63種の野菜のポイントとコツが紹介されています。63種をこなせて園芸科といえるのではないか?としたらどうしましょう。エライことです。

 夏場は草取りや水やりだけでも大変で、”まともな野菜は勤勉な人でないとつくれない”というのが湧きあがる私の正直な感想です。4日おきのストチュー液散布などでまともな野菜をつくれる人は尊敬に値します。勤勉精神の持ち主だからです。

 本日の講義では、松原先生の”私の挑戦”が紹介されました。野菜づくりの挑戦スピリット事例をご披露いただきました。”高校やレイ大での講義以外に、週に何回か水泳をしています。水泳も仕事と思ってやっています”との言葉に、挑戦することで若さと健康のリターンがありますよと教えてくださっています。

 さて、現在のあなたの挑戦は何なのでしょうか?

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