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【第4回】「醒井宿とその周辺」

 中山道は、江戸から京都三条大橋まで宿場が全部で69ありました。醒井宿は、江戸から数えて61番目の宿場です。

 11月16日
()、「醒井水の宿駅みゆき」に集まり、醒井宿について講義を受けた後、いよいよ、醒井宿の探訪に出かけました。


 醒井宿は、中山道67宿の中の1宿で、江戸より61番目の宿です。江戸幕府の直轄地で1843年には138軒の家数があり、本陣が1軒、脇本陣が1軒、問屋が7軒あり、人口は539人でした。
 国道21号線の米原インターチェンジ口の信号を越え、東へ1.5qほど進むと、天野川の支流、丹生川の橋を渡ります。橋を渡ってすぐ中山道へ入る道があります。中山道を進んで100m程行くと「六軒茶屋」の跡があります。このあたりに間の茶屋が6軒建っていましたが、今はかろうじて1軒がその姿をとどめています。安藤広重の錦絵「木曽街道六十九次」にもその姿が描かれています。

 中山道をさらに進むと「西行水」という看板があります。西行水は西行法師ゆかりの清水で、大徳仲算という平安時代の僧が岩を削って清水を湧き出させたといいます。その後、西行法師がこの清水を称賛し、いつしかこの清水を西行水とたたえるようになりました。

 中山道をさらに進むと幅3mほどの橋をわたり、川に沿って進みます。地蔵川といい、居醒清水を水源として、醒井の宿場を貫流する水がとてもきれいな川です。途中、「十王水」という湧水があり、平安時代に高僧が立ち寄り山の根の岩石の下より湧出せしめたという言い伝えがあります。

 少し行くと、道端に「天然記念物 了徳寺御葉付銀杏」と刻まれた石柱が立っています。道の突き当りに、寺院と太陽を浴びて輝く大きな銀杏の木がそびえたっています。真宗本願寺派の寺院で、境内にある銀杏は樹齢150年、一部の実が葉の上に付き、国の天然記念物に指定されています。

 地蔵川は、居醒清水を水源とするたいへんきれいな清流で、夏になると大変珍しく小さな水中花「梅花藻(バイカモ)」が咲き、絶滅危惧種である淡水魚「ハリヨ」が生息しています。

 7軒あった問屋場のうちのひとつ、旧川口家の住宅と、本陣跡で現在は「樋口山」という料理旅館になっています。

 地蔵川の水源、居醒(いざめ)の清水です。居醒の清水は、日本武尊ゆかりの湧水で、記紀に、日本武尊が伊吹山の荒神退治で熱病にかかり、山麓の清水で体を醒ましたという記述があり、それが醒井の清水であるとして、居醒の清水と称しています。
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