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野菜作りの基礎として以下の通り ①土づくり ②肥料の役割と分類種類と性質、施肥の仕方 ③種まきの基本 ④病害虫とその防除等について学びました。
すべての野菜について栽培のポイントやコツがあり、種まき前にしっかりとそのポイントを抑え、それぞれの『栽培の基本のキ』を身に着けることが重要である。
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1、土づくり
土づくりは野菜づくりの第1歩
良い土の条件とは
①水はけの良い②通知性の優れた③保水性にとんだ④保肥性に優れている。
土の団粒化を促進するには、堆肥や腐葉土などの有機物を投入することが重要である。
化学的には①土に養分をたっぷり含み ②栽培に適正土壌酸度(PH)の範囲であることがポイント
◆土質のチェック
砂質土か粘質土かをチェックする。野菜つくりに適しているのは砂質土と粘質土の中間で、指で軽く抑え
ると崩れるくらい。
◆土層のチェック
野菜つくりに適するやわらかい層が30cm以上あればよい。
◆水はけのチェック
雨が降った後、2,3日経っても水が残っている土地は水はけが悪いと判断。
水はけが悪い土地は畝を高くするか、土壌改良が必要である。
◆土壌酸度のチェック:野菜つくりに適した土壌酸度は
野菜つくりに適する土壌酸度はpH6.0~6.5の弱酸性
スギナ・オオバコ・ハハコグサ・ジシバリ・カヤツリグサ・スイパが多く生えていれば酸性土壌と判断する。
土づくりの基本
石やがれきを取り除き、酸度調整のために石灰を散布し、耕す。1~2週間経過後堆肥を施す
土壌改良材として腐葉土、パーライト、バーミキュライトなどがある。
水はけが悪い場合は堆肥を多めに(3~4kg/㎡)施してからパーライトを5~6L/㎡施して耕す。
◎酸度調整
日本の土壌は酸性に傾いているので石灰で土壌酸度を調整する。
◎施肥作業
酸度調整から1、2週間後に元肥として堆肥や化成肥料を施す。
堆肥は完熟堆肥を2kg/㎡位施す。
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2、肥料
肥料の3大要素
◎窒素(N)葉や茎の生育を促進する≪葉肥え≫
◎リン酸(P)植え付け後の根張り、花つき、実つきを良くする≪実肥え≫元肥で施すのが基本
◎カリ(K)根の働きを強化≪寝肥え≫病害虫に対する抵抗力も期待
●有機肥料
微生物による分解を経てゆっくり肥効が現れるため元肥となる。魚かす・骨粉・牛糞・鶏糞・油粕・米ぬか、枯葉
枯木
●化学肥料
窒素、リン酸、カリの成分を化学的に配合。即効性なので追肥に適す。アンモニア(窒素肥料)リン鉱石、カリ
鉱石
▲家庭で使われる主な肥料
・苦土石灰:酸度を調整して光合成を促進 ・消石灰:アルカリ分は苦土石灰より多め ・堆肥:土のコンディ
ションを向上
・油粕:発酵後に肥効が出る植物質肥料 ・ヨウリン:主に果菜類に使うリン酸肥料 ・液肥 :葉の色つや改
善にも効果的
・化成肥料:複数を成分を合せた即効性肥料
▲元肥
施肥量の目安・・・・・堆肥2kg/㎡ 化学肥料100g/㎡
◎作条施肥(畝の中央に溝を掘り、堆肥・化学肥料をばらまき、埋戻し畝たてする。
◎全面施肥(畝前面にまいた後畝たてをする。)
▲追肥
追肥の必要性・・・・◎肥料やけの防止 ◎肥効の持続 ◎施肥量の調整
追肥の仕方
追肥する場所と回数
追肥は中耕や除草と同時に行う。 即効性の化成肥料(8-8-8)がよく用いられる。
3、種蒔き
●水・酸素・温度・・・・栽培環境の基本
●光
好光性種子 キャベツ・シソ・シュンギク・セロリ・ミツバ・レタス・ニンジン・ゴボウ・
嫌光性種子 ニラ・ネギ・タマネギ・ダイコン・かぼちゃ・キュウリ・スイカ・唐辛子・トマト・ナス・ピーマン・メロン
※種のまき方 すじまき・ばらまき・点まき・ポットまき・箱まき
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病害虫とその防除
病害虫の主な原因
病気:害虫による媒介や土壌病害だけでなく、日当たりの良しあしや雨の量、気温などの気候条件も発生
原因になる
ウドンコ病 さまざまな野菜に発生し、特に夏の乾燥時に発生しやすい。ウリ科の野菜は多肥により発生が
増える傾向がある。
キュウリ・カボチャ・ナス・ピーマン等
灰色カビ病 感染した組織全体がやがて腐りはじめ、ついに灰色のカビで覆われる。特に低温多湿の条件下
で発生しやすい病気
イチゴ・キュウリ・トウガラシ・トマト・ピーマン等
モザイク病 ウイルスが感染し、株全体に広がって発病。アブラムシによる媒介が大半、感染した株の汁液に
触れたハサミなどから感染することがある。
トマト・キュウリ・ポーマン
白サビ病 おもに葉や葉柄が侵される病気で、表面に白色の斑点が生じる。春と秋の湿度の高い時期に多く
発生する。
キャベツ、コマツナ、カブ、ダイコン等
根こぶ病 アブラナ科特有の連作障害の代表と言える土壌病害
コマツナ、カブ、ハクサイなどダイコン以外のアブラナ科野菜
軟腐病 夏の高温多湿時期に発生。害虫や作業中のミス、風雨などによる傷から病原菌が入って感染。
ダイコン、ハクサイ、キャベツ等
べと病 葉の表面に黄色の斑点が広がる症状が代表的。原因は株同士が過密なこと、過度な窒素肥料の
施肥によるところが多い
ホウレンソウ、シュンギク等
根腐れ病 主にカビによって引き起こされる病気。主な原因は土の中に根腐病の被害にあった株が残っていて
、 それが根源で感染することが多い
ホウレンソウ、ニンジン、レタス等
害虫:飛べる虫は地上部に直接飛来する。そこで生みつけられた卵がかえったり、あるいは土の下で根に寄
生したりする。
アブラムシ、アオムシ、コナガ(幼虫、キアゲハ)(幼虫)、ネキリムシ、ハバニ、カメムシ、
キスジノミハムシ、ヨトウムシ
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※野菜作りは、種まきや苗植え作業が終われば毎日の管理作業や病害虫との戦いを続ける地道なもの。起こった事例に対して冷静かつ素早い対処をするためには、小まめな観察が大切である。できるだけ農薬の使用を抑え、安全・安心な野菜作りを目指したいものです。
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