おいしい果樹の育て方 良い苗木選び
   ◎間違いのない苗木選び

 ・接ぎ木苗
 
接ぎ木苗は丈夫な樹を台木にしてその上に実をよく付ける品
 種を接いだ苗木。 苗木の下のほうに接ぎ木部がある。

    
よって、接ぎ木苗がお勧め
 
・実生苗

 
・挿し木苗   

 ◎ポット苗の見分け方

  ・接ぎ木部の状態

 接ぎ木部が目だたない、接ぎ木部の上下に太さの差があまり
 ない苗木・・

 
 接ぎ木部が傷ついたり、ゆがんだりしていると隙間から病気
 や害虫が入りやすい・・
×

  ◎上部の状態

  ・枝葉部分

 度な数の枝がバランスよく配置されている苗木、枝が前後
 左右に伸びている、枝が開いている、適当な間隔で枝が多く
 出ている・・


 
枝が一方向にしか伸びていない、枝の数が少ない、枝の開き
 が小さい・・
×


 ◎鉢底の状態 

 鉢底から根が出ている苗木は、鉢の中で根つまりをおこして
 おり、成長がよくない


 ◎果樹が好む環境づくり

 朝日がよく当たる、南向きの場所が最適。特に日当たりを好
 む果樹は午後2時ころまで日が当たる場所にする。


 が広がるのである程度スペースに余裕がある場所、適度
 の風通しの良い場所、養分が豊富で水はけのよい場所。
 

 ◎温度管理の工夫を

 庭植えの場合、西日に弱い果樹には覆いを鉢植えの場合は
 土が少ないので急激な温度変化が起こりやすく、暑さ寒さに
 応じて、移動させるなどより細かな温度管理が必要


 風よけ・風通し・雨を避ける工夫なども行うように 

 ◎しっかり根付く植え付け

・植え付け時期

 植え付けは根が活動していない休眠期か、新根が発生する
 前の時期に行う。落葉果樹なら12月から1月が適期。寒冷地
 は春植え(3月)がよい。
 常緑樹は冬季にも根が休眠しないので、根の活動が始まる
 前の3月がよい。


・植え付けの手順

 棒苗は植え付けの前に土を落とし、太い根の先端を切り、半
 日ほど水につけておく。ポット苗はそのまま土を落とさずに植
 え付けする。

 40×40㎝の穴を掘り、掘りあげた土に腐葉土を混ぜる。半
 分に牛糞、油粕などの有機肥料を混ぜ、先に埋め戻す。次
 の半分に腐葉土だけを混ぜた土を埋め戻す。


 
棒苗の先は広げて植え付ける。水を与えたときに流れ出さ
 ないように苗の周りに溝を掘る。
 水鉢を崩し軽く土をかぶせる。このとき接ぎ木部は地上に出
 るように。

 庭植えの基本は地面より少し高い位置に植える浅植え。
 数年すると根が地表に上がってくることがあるので、盛り土
 (腐葉土)などで根を守ること。

 
 
 
 
 
 
   ◎鉢植えの植え付け  

・鉢植えの用土

 鉢植えの用土は、粒が大きく水はけのよい赤玉土と落ち葉
 等を発酵分解させた腐葉土を混ぜ合わせて使います。赤玉
 土1:腐葉土1が基本です


・植え付け

 時期は庭植えと同時期。植え付け時に葉を付けている常緑
 樹は土を落とさずに、葉を落としている落葉果樹は土を落と
 して植え付ける。鉢の上から3㎝程度まで土を入れ、根の隙
 間まで土がいきわたるように棒などで送り込み、植え付け後
 は水をたっぷり与える。


・苗木の再生

 外側と鉢底に根が回っている苗は根つまりを起こしている苗
 であり、根つまりをしている苗木であり、土の肩に出ている根
 と土を落とします。また水が通るように縦に切り込みを入れ
 土の外側に回っている根を切り、さらに、底からも水が抜け
 るように土を1/5程度削って穴をあけ植え付ける。

◎肥料と水の与え方 

・肥料の3要素
  ・窒素:葉や枝を育てる。
  ・リン酸:花芽を作り果樹のつきを良くする
  ・カリウム:根を太くしたり、果樹を大きくする


・有機質肥料
 骨粉:豚や鶏の骨を細かく砕き粉末にしたものリン酸を多く
 含む

 牛糞、鶏糞:牛や鶏の糞を発酵させたもの窒素、リン酸を多
 く含む

 油粕:ナタネや大豆から油を搾り取った後に残る粕窒素を多
 く含む

 草木灰:植物を燃やした後の灰カリを多く含む油や漁粕と混
 ぜて使う
 
◎肥料で生長をコントロール 
①樹勢を強める   
樹勢が弱く、樹の生長が弱い時には肥料を多めに与えます。特に窒素肥料を 多 めに与えると枝や葉の生長が良くなる。 
②実つきをよくする   
窒素分が多くなると、枝や葉ばかりが生長して花弁に養分が回らず、実つきが悪くなる。この場合は窒素を含む肥料を控えめ
にする。 
 
③実を大きくする   
追肥の時期に実の生長を助けるカリを多めに与え、窒素肥料を与えないようにする。 
 肥料を与える時期と目的
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
休眠期 発芽・枝葉の伸長
開花・結実
果実肥大 果実成熟
養分蓄積
落葉・休眠
元肥(12~1月、3月) 追肥(6~7月) 礼肥(9~10月)
・主にチッソやリン酸を多く含む有機質肥料
・3月には速効性の化成肥料
・主にカリを含んだ速効性の化成肥料
・チッソは夏に与えると品質を落とす
・速効性の化成肥料(幼木に与える場合は3大要素が等しい割合で配合されているもの
・春から初夏にかけての枝や葉、花弁の生長を促進させる肥料
・12月~1月(寒肥)と3月(春肥)
・生長を決める大事な肥料なので1年に与える肥料の70~80%の量を与える
・一部の果樹を除き、実が付くようになった樹に与える肥料
・与えすぎると新梢の生長に使われるので、樹勢が弱い時以外には与えない
・元肥が不足している時に、果実の生長を促す目的で与える
・一部の果樹を除き、実が付くようになった樹に与える肥料
・果樹後の弱った樹を回復させ、翌年の生長のための養分を蓄積させる
・花芽が作られた後に与える
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