11月22日 果樹栽培の適地と種類 
 私たちの日々の食生活に楽しみと潤いを与える食べ物として、果物は非常に大きな役割を果たしている。果物には、イチゴ、メロン、スイカなどの野菜の仲間とされるものもあるが、その多くはリンゴ、ナシ、桃、などのように木(木本植物)になる果実である。果実とはこれら食用となる果実をつける木本植物を総称したもので、世界各地で広く栽培、利用されている。
 良果多収のための基本
  果樹の良果多収には、葉の光合成を盛んにすることと、光合成産物を果実に効率よく分配することが必要となる。

(1)葉の光合成を盛んにする。
 光合成には、光、土壌水分、二酸化炭素の濃度などが関係する。例えば十分な光があっても土が乾燥して気温が高すぎると葉は気孔を閉じて二酸化炭素を吸収できなくなる。また葉の葉緑素(クロロフィル)を作るには窒素、マグネシウム、鉄、マンガンなどが必要である。密閉状態の施設栽培では、二酸化炭素が不足して光合成速度が低下しやすいなどの問題もある。
 光合成を高めるには  ①大苗を植えて、早くから葉数を増やす、 ②葉への日あたりをよくする、  ③土壌の水分を保つ、  ④養分のバランスをとって葉の葉緑素を減らさない。  ⑤施設栽培では二酸化炭素を補給する。などの注意が必要である。  


(2)葉の最適繁茂どを維持する。

 良果多収のためには、園全体で生産される純光合成量を多くすることが重要である。葉は光合成とともに呼吸も行うため、込み合ってくると光不足になって、園全体の光合成は増加しにくくなり、反対に呼吸量は直線的に増加する。したがって光合成量から呼吸量を差し引いた純光合成量はある程度のところで最大になり、それ以降は減少する。 
 果実の種類によっては、葉の繫茂度が純生産量だけでなく、果実の着色や花茅形成に大きく影響する。


(3)枝葉と果実との養分競合を少なくする。

 良果生産のためには、葉で作られた光合成産物を、葉、枝、根、果実へどのように分配するかが重要となる。
 強く剪定した木や窒素を多施用下木では、多くの新梢が発生して、遅くまで伸長するため、葉で作られる光合成産物を多く消費する。その結果、花茅形成が起こり、良花が生産されなくなる。
 枝葉が過繁茂になると、光不足となり純光合成量が減るばかりでなく、根や貯蔵養分への分配量も少なくなる。根の成長量が少ないと水や肥料の吸収量が減少し、貯蔵養分が少ないと花茅の形成や翌春の初期生育が不良となって、良果生産が難しくなる。

(4)果実同士の養分競合を少なくする。

 生育初期には、果実は新梢より優先的に貯蔵養分を消費する。果実が多くつきすぎた木では貯蔵養分の果実同士の競合により、生理的落果をしたり、果実が小さくなったりする。
 良果生産のためには摘果して適正な着果量にする必要がある。また、摘果後の着果量が多すぎると、果実の肥大や木の生育が悪くなるだけでなく、種類によっては花茅の数が減って翌年が不成り年になる。
 整枝・選定の目的
  整枝・剪定の目的は①木の生育や結実特性を重視しながら、良果生産や管理作業に便利なように樹形を整える、②毎年安定した収穫を得るため、枝葉の成長と結実との均衡を保つ、③樹冠内全体に日射がいきわたり、防除薬剤がかかるように樹形を整える、④病害虫に侵されている枝を切り除いて、病害虫の発生を少なくするなどである。
  ・先生が収穫された柿を講義の前においしくいただきました。
 
これはカメムシの被害にあった柿の実であると紹介
 
   ・どのような果樹も植木鉢で簡単に栽培ができるということです。

イチジクを例に栽培方法を教えていただく

施肥方法及び剪定方法等
   
   ・休憩時間にも熱心に質問
   
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