≪病原菌、害虫の活動を抑える≫
植物が病原菌や害虫に侵されるのは、植物の生育状態や生育環境が、その病原菌や害虫が活動し繁殖しやすい状態になったときである。その発病しやすい環境は、密植した硬葉が繁茂しすぎて、環境(天候、気温、空気湿度、土壌条件など)や植物の生育状況(発芽、生長期、開花期、結実期など)が組み合わさった状態である。
さらに花木、庭木などの樹木は野菜、草花とは異なり、秋に落葉はするが、樹は枯れずに越冬する。この樹の幹、枝あるいは翌春の萌芽のための芽などに、病原菌が耐久体の形(子のう殻、分生子殻<柄子殻>など)、害虫は卵、蛹などの形で、ひそんだまま越冬する。これ以外にも枯損したり、腐敗したりして地上に落ちた小枝、葉、あるいは果実などには病原菌や害虫の卵、蛹などが、その組織の中に入ったまま土中に埋まって越冬する。
翌春になるとこれらの病原菌や害虫が活動して、樹木のいろいろな部分を侵すことになる。
病原菌や害虫は、遠方から飛来する場合もあるが、その多くは近くで生息していて、その活動と繁殖条件が適すると植物を侵す。そこで生活サイクルを知って、それぞれの時期にタイミングよく適切な対策を講じることが大切である。
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