里山整備としいたけづくり
びわこ地球市民の森にて 
                         樹木医:田上 知 氏・平塚 英史氏

午前の部は田上樹木医による原木しいたけの作り方を学び、その後実際に原木に植菌しました。

                ==原木しいたけの作り方==
 
①適した原木はクヌギ・コナラ・アベマキ・カシ・シイ等で伐採の時期は貯蔵養分が多く、樹皮が取れ
 にくい晩秋から冬にかけてが適している。

②しいたけは死んだ木に繁殖するキノコなので、原木を根元から伐採し1ヶ月以上乾燥させ、死んだ
 状態にします。

③玉切りについては90cm~1m。5cm以上の太さがあれば原木として可能です。

④原木への穴あけについては、しいたけの種類にあったドリルで穴あけする。


       
穴の数は原木の直径×2が標準である。10cmであれば20+α個
 
          しいたけの菌糸は横方向によく伸びる代わりに縦方向に伸びにくいために、
          穴は横に広く、縦に狭く千鳥状にあける。(アナあけは4・3・4・3が基本)
                 
⑤植菌については直径1㎝弱の丸い木片に塗りつけられているので、雑菌が入らないように手袋を
  して木づちで平らになるように打ち込む。

⑥植菌した原木は横に並べて積み上げ、寒冷紗やむしろをかけ風通しの良いや林や土の上に仮り
  伏せする。直射日光が当たる場所や排水の悪い場所は避けること。ほだ木の切り口が白くなれ
  ばしいたけ菌が蔓延した証拠である。

⑦梅雨の前になったら、ほだ木を本伏せする。横棒にほだ木を斜めにして互い違いに並べる。
  角度は45度程度とする。
  2ケ月に1度上下ひっくり返しシイタケ菌を均等に繁殖させる。(天地返し)

⑧本伏せに適した場所。
    ・直射日光が当たらない    ・西日が当たらない    ・風通しの良い     
    ・地面が土の場所        ・雨水の当たる場所    ・地面の排水の良い場所

⑨収穫は植菌してから1年後の春に細いほだ木から少しシイタケが発生する。1年半後の秋から本
  格的に発生する。
  太いほだ木は4~5年間収穫できる。
 
     
     
     
     
 
午後の部は2013年に植樹されたゾーンの一部分の樹木の剪定作業を実施。
 枝打ちの目的は風通しを良くし、日当たりを良くするためで、高い木、低い木いろいろありますが、
全体の半分ぐらいまで幹だけにし、幹が2,3本あるものについては間引いても良し、枝のみを払っ
ても良いという説明を受けた後、それぞれに分かれ、作業に着手。寒い中、効率よく、今までの剪定
実習の成果を十二分に発揮し、今回設定された作業範囲は、時間内に完了することができました。
 今回の作業は間伐を適切に実施することにより、光が差し込み、下草などの下層植生が繁茂し、
土砂流出防止機能がよくなり、また生育を良くし、幹が太くなり、風雪にも耐え折れにくくなるための
重要な作業であることを再認識する機会でした。
     
     
     
     
 
  びわこ地球市民の森で一番高い「モリモリ山」山頂にて
 
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