巨木の治療学習と現地見学  レイカディア大学
米原校
園芸学科36期生
情報委員会編集
H26年11月26日
 
 
授業日:H26年10月28日

講師:北村 正隆 先生 



園芸科36期(2年生)の前期選択講座の一環と
して
巨木の治療学習と現地見学が実施され
ました。

研修コースは黒田のアカカシ(木之本本町黒田)見学~唐川
の一本スギ(高月町唐川)治療学習~赤後寺で昼食~柏原の
ケヤキ(高月町柏原)見学~渡岸寺のケヤキ(高月町渡岸寺)
見学がありました。
 

◆ 黒田のアカガシ


1990年読売新聞社が選んだ「全国名木百選」に選ばれているとの事。又滋賀県指定
自然天然記念物にもなっている。1995年樹木医による若返りの治療が施され、木の肌も
薄紅色どっしりとした根を構成し、古木の風格を感じた。先生によれば近年、これら名木の
大半が樹勢の衰えが目立ってきているそうです。

 

樹種:アカガシ(ブナ科・常緑樹)
樹齢:300~400年(推定)
樹高:15m   幹周り:6.9m
 

表面は赤樫特徴のゴツゴツ
した樹形
 

どっしりとした根を張っているが、
中心部は空洞だそうです。

◆ 唐川の一本スギ

 
 県下最大級の巨木(杉)にして、かつてその端麗な容姿は
 名木中の名木と謳われていた。しかし昭和50年ごろより、
 周辺の環境変化に伴い、枯れ枝化が進行し、往年の威容は
 急速に失われた。この状況を見かね、平成20年より有志を
 つのり、高月町、県緑化推進会、県樹木医会の指導のもと、
 樹勢の回復活動を開始し現在に至る。
        ~立て看板より~  
 尚、この土壌改良は園芸科の先輩達が深くかかわって
 おられます。 


 樹 種:スギ(スギ科) 樹 高:20m 幹周り:7.6m
 樹 齢:400年(推定)
 
「一本杉の会」笠原会長よりご挨拶と
保全状況についてのお話を頂きました
 
北村先生より作業の土壌改良の具体的な
作業について指示説明がありました
 
土壌改良としてパーライト、コンボ、バーク
堆肥を
 
パーライト(石を高温で焼いたもの)
で通気性の改良
 
コンポ(汚泥の発酵)・バーク堆肥
発酵肥料を付与しました
 
よく混合して埋め込み作業を行う

◆柏原のケヤキ・渡岸寺のケヤキ

 高月町柏原の八幡神社境内に位置する滋賀県最大のケヤキ。こぶを幾つも抱え、どっしりした幹周り、魔物が腕を広げたような枝振り、正に野神の名に相応しい巨木~カタログより~

樹種:ケヤキ(ニレ科)
樹齢:300年以上(推定)
樹高:22m
幹周り:8.4m

 この野神ケヤキは用水路の分水部に位置し、農の神様で有る水路を見守っているかのようです。それほど大きいものではないが風格を感じさせる。~カタログより~
樹種:ケヤキ(ニレ科)
樹齢:300年以上(推定)
樹高:10m
幹周り:3.5m

野神さんとは?
「野神」は、特定された神を祀るのではなく、自然信仰の対象として田・畑を守る神に鎮座を願う場所で
あり、五穀豊穣を祈願する神として祀られている。スギやケヤキ等の巨木を神の依代としてきた。「山の
神」が春先に里に降りて「田の神」となる。その神が鎮座する場所、それが「野神」なのである。
~滋賀の巨木めぐりより抜粋~

今回の授業で湖北地区の親しまれてきた巨木の衰えが目立つようになり、その回復作業が
地域の守る会や県などの行政で行われていることを今回の治療学習で知りました。
自然の貴重な財産を後世に継承していけるように我々も努力して行きたいものです。
今回の学習に当たり、「一本杉の会」の皆様には、治療学習のお手伝いや赤後寺
の休憩場所のご提供等、大変お世話になり感謝申し上げます。

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