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地球温暖化と
びわこ地球市民の森
(森づくりセンター)
森の手入れ作業
(森づくりセンター:江見和綽先生、平塚英史先生)
レイカディア大学
彦根キャンパス
園芸科44期生
広報部会編集
更新日:令和5年2月17日

1.はじめに
 今日は今期2度目の校外学習。 
彦根では昨晩から寒くて強い風がビュービュー!と吹き荒れ朝出かけるのが億劫でしたが、皆さん元気に集合場所(JAレーク滋賀「おうみんち」駐車場)に集まって来られました。
    さあ、お弁当持って みんな元気に「びわこ地球市民の森」へ、いざ出発だ!!!

2.森づくりセンターで講義(午前)
   (下記内容は、当日配布資料「地球温暖化とびわこ地球市民の森」 滋賀県レイカディア大学選択講座
     令和5年2月14日(火)森づくりセンター 江見和綽氏 作成資料 及び、配布されたパンフレット等から引用要約したもの)

(1)地球温暖化とは
 私たち地球人の生活や生産活動で利用する電気機器(エアコン)、製品(スプレー)、自動車(エンジン)、工場(洗浄)等から排出する温室効果ガス(二酸化炭素、メタン等)が、その活動により増大する事により、地球上空にガス放出を抑制するバリアが出来て赤外線を宇宙へ放出する量が減少する事で、地表や大気の温度が上昇して温暖化が徐々に進み、人間や生態系に悪影響を及ぼしてきている。

 このまま温暖化対策が講じられないと、地球の平均気温が2100年までに最大5.8度(1990年対比)上昇し、気象の変化、海面の上昇、生態系の変化、食糧危機など様々な問題が生じると予測されている。

(2)地球温暖化防止対策について
 環境省からの環境白書(抜粋)を要約すると、「脱炭素の視点からのアプローチ、循環経済の視点からのアプローチ、自然共生の視点からのアプローチにより、脱炭素化を核とした地域循環共生型の社会(グリーン社会)を目指す」ことである。

 ここで森林の脱二酸化炭素に果たす役割りは大きく、地球上の酸素は全て植物や微生物などの光合成作用によって作られる。
     6CO2 + 12H2O → C6H12O66H2O + 6O2
                            (蒸発散)
 すなわち二酸化炭素をとらえるには森林の力に頼るしかないのである。
県内の森林面積は県土の1/2約20万ha。天然林約53%、人工林45%、人工林の内51%が手入れの必要な状況である。

 ここで滋賀県営都市公園「びわこ地球市民の森」が、琵琶湖総合保全整備計画(マザーレイク21計画)の中で、健全な生態系の保全・回復のための未来への森づくり、生態系回廊として進められた。

(3)びわこ地球市民の森とは
 今回の研修場所は守山市にあります県営都市公園「びわこ地球市民の森」森づくりセンター。
 未来の子供達の為に、また地球環境の保護と再生の為に、野洲川南流の廃川敷地の一部を活用して植樹運動として展開されて来た。

 21世紀最初の「みどりの日」となった平成13年(2001年)4月29日に「滋賀県植樹の集い」を実施し、森づくりのスタートが切られた。
 県内外から集まった約3,500人の参加者により、苗木8,000本が1平方m当たり2本植えられ、その後毎年植樹が行われ、平成25年(2013年)11月をもって植樹活動は終了した。
 これまで総勢45,994人の手で、160,967本の苗木が植樹され、現在90種、約6万本が育っている。

 導入植物は郷土種原則(外来種は植えない)に色々な落葉樹(クヌギ・コナラ・エノキ・ヤマザクラ・コブシ・ケヤキ・ヤマモミジ等)、常緑樹(アラカシ・タブ・シラカシ・クスノキ・ヤブツバキ・シイ類等)を選定して植樹されている。

 その後、平成26年(2014年)からは森づくりサポーターの皆さんを中心に、植樹から育樹へ、健全な森へ成長出来るよう、間伐や枝打ち・下草刈りなど、ボランティアの皆さんと共に豊かな森づくり活動が進められている。

 森づくりサポーターとして個人登録者:685人、団体:35団体が植樹・育樹活動等を行っており、レイカディア大学OBの皆さんも約20団体が登録・活動している。
 また、県民のみなさん、県内外周辺のボランティアのみなさん、また広く海外の人々にも参加してもらえるような息の長い活動として取り組まれている。

(4)生物多様性の確保と自然学習の拠点としての森
 公園緑地は、様々な生物の生息・生育空間を提供し、自然とのふれあいのある豊かな生活とそれらの上に立つ環境共生型社会の実現に貢献するもので、維持管理によりビオトープの創出や希少種の保全など、生物多様性の確保に高度な機能を発揮する空間を形成。
 森の自然を学ぶために自然観察やネイチャーゲーム、間伐材を活用したクラフトなどを楽しめます。

  森の総延長:3.2Km、幅:100~200m、総面積:42.5ha
  自然教室が通年開催実施され、これまで(2001年~)379件、15,980人が参加。(2022年3月末時点)
 (出典:下図は、パンフレット「県営都市公園 びわこ地球市民の森」指定管理者:みらいもりやま21ビオトープ協議会 びわこ地球市民の森 森づくりセンター 発行 より引用して掲載)
 この広大な広さを5つのゾーン分けて、それぞれの場所を目的を持ったゾーンとして活用できるよう整備されています。
 ・出会いのゾーン:エントランスとシンボル的エリア → 多様な森への誘い、人と森との出会いの場
 ・ふれあいゾーン:水辺の環境学習フィールド   → 流れ、池、湿地と森の生態観察ゾーン
 ・ふるさとゾーン:現況保全のエリア       → かつて野洲川河畔林が残されたエリアで、橋やデッキがあり自然の中を散歩
 つどいのゾーン:集いと交流の場        → 多彩な遊びや活動のできる集いと交流の広場
 ・里の森ゾーン :森の環境学習フィールド    → 四季の花や緑、木の実ありの昆虫や鳥が集まる森の観察フィールド

 今回私たちは午後の「森の手入れ作業」で、「里の森ゾーン」の間伐・枝打ち作業を行いました。

3.間伐・枝打ち作業とクラフトを楽しむ(午後)
 午後は平塚先生に道具(ノコギリ、剪定ばさみ)の使い方をご指導頂き、実際に「里の森ゾーン」の間伐・枝打ち作業を行いました。

 ノコギリには、目の荒い木切り用と目の小さい竹切り用があり、使い分けが必要。
 ◎枝打ちする木のノコ刃を入れる位置は、幹から枝別れした約1Cm位枝側を、枝に垂直に(切断面積が最小になるように)切断することで樹木への損傷が最小になる。
 ◎幹が手で支えられないような太い木の伐採は、倒す方向の切断面に樹木の太さの1/3位までの切り欠きを作った後、倒す方向と反対側の切り欠き部より少し上(1Cm位)を切っていく。
 ◎伐採するかどうかの判断は難しく、木に平均的に太陽光が射して十分な光合成作用が行えるように考えて選択する。
 ◎各ゾーン(エリア、フィールド)は多目的空間であり、皆さんが楽しめるよう見通しを良くする間伐作業も重要である。
 ◎また、5年先、10年先の将来を見据えて、伐採すべきかどうか、今年、来年実施したほうが良いなど考えて行う。
 ◎園芸的伐採や枝打ちでは、樹形を重視するが、植樹・育樹での森づくりの考え方とは少し違うようだ。
 以上、参考になったこと。

 間伐・枝打ち作業の後、森づくりセンターに帰り、前もって準備頂いた竹を切断・加工して、「一輪挿し」を制作した。
 同じ「一輪挿し」でも、制作する人によって個性が発揮されるのを見た。これも楽しい!!!

 参加された皆さん、時折り粉雪が舞う寒い中での作業でしたが お疲れさまでした。

【森づくりセンター入口】
・木造平屋建ての建築物で温かみを感じる

【森づくりセンター内エントランス】
・クラフト制作物が展示されている

【森づくりセンター内天井】
・県内地域産の木材が利用されている

 【森づくりサポーター(団体)の皆さん】
・登録者数は、個人:685人、団体:35団体
・レイカディア大学OBも20団体が登録・活動
・年間4回の定例活動で植樹・育樹(除草、つるきり、枝打ち、間伐、除伐)作業を行う
・ドングリ苗床づくり、種まき、苗移植
・シイタケ植菌、本伏せ、・樹名札作成と取付け
・コスモス畑手入れ、播種、灌水、・寄せ植えづくり
 等、色々な活動を行っている。

【講義風景(午前)】
・地球温暖化~森づくり事業の経緯等

【講義風景(午後)】
・森の手入れと恵みについて

【里の森ゾーンでのガイド風景】
・江見先生が樹木名を説明

【里の森ゾーンでのガイド風景】
・江見先生が樹木名を説明

【里の森ゾーンでの枝打ちした枝木】
・多様な生き物の「すみか」となる

【里の森ゾーンでのクラフト作品】
・かわいい

【里の森ゾーンでの防火用水路】
・危機管理にも配慮されている

【里の森ゾーンには遊具が設置されている】
・森の観察に疲れたら遊具で過ごせる

【樹木には樹名札が設置されている】
・似通った樹木名を正しく覚えられる

【間伐・枝打ち作業】
・作業にいざ出発!

【間伐・枝打ち作業】
・作業前に先生からノコギリの使い方注意

【間伐・枝打ち作業】
・先生から作業方法の説明

【間伐・枝打ち作業】
・樹木の伐採に初挑戦!

【間伐・枝打ち作業】
・ノコギリで樹木を伐採

【間伐・枝打ち作業】
・伐採した樹木を適当な長さに切断

【間伐・枝打ち作業】
・樹木を倒す方向に切り欠きを作る

【間伐・枝打ち作業】
・枝打ち切断面の面積が大きくNG

【間伐・枝打ち作業】
・枝打ち切断面の面積が小さくGOOD

【間伐・枝打ち作業】
・先生は身軽だ!

【間伐・枝打ち作業】
・疲れるよね!誰か交代して!

【間伐・枝打ち作業】
・小枝を積み上げて生物のすみか作り

【間伐・枝打ち作業】
・伐採樹木はシイタケの菌打ちやクラフト用に利用される

【間伐・枝打ち作業】
・この木の伐採は私に任せて!

【間伐・枝打ち作業】
・ノコギリでの伐採は力いるわね!

【竹細工(一輪挿し制作)】
・先生よりノコギリの刃の違いを説明

【竹細工(一輪挿し制作)】
・まずは先生の見本作り作業を見守る

【竹細工(一輪挿し制作)】
・取っ手になる所にテープを張る

【竹細工(一輪挿し制作)】
・みんなノコギリとはさみで作品作り

【竹細工(一輪挿し制作)】
・みんなノコギリとはさみで作品作り

【竹細工(一輪挿し制作)】
・完成品は、こんな感じ!